2022年2月26日 (土)

地域づくり生きがい

「息」と「域」を大切に

登録団体を紹介します

 益田市市民活動支援センターでは、団体の活動支援や団体同士のつながりづくりのお手伝いをしています。「仕事以外でつながりをつくりたい」「自分の特技を活かしたい」「何か趣味を見つけたい」などの思いをもっておられる方が一歩踏み出すきっかけとなり、1人でも多くの方が益田市で「楽しい」を感じられるよう団体の活動や関わる人の思いを伝えます。

NPO法人息域スペースポコ・ア・ポコ

 息域スペースポコ・ア・ポコは、平成10年4月に開所。平成16年に特定非営利活動法人(NPO法人)として認証されました。障がいを抱えている、いないに関わらず、すべての人が地域の中で1人の人間として生きていくことが「あたり前の社会であり、そうした社会を作っていく1つの場になれば」という思いで活動しています。

小川さんに話を聞いてみた

 今回は、NPO法人息域スペースポコ・ア・ポコの代表をしておられる”小川勉さん”にお話を聞きました。

 

一番左が小川さん

Q.活動を始めたきっかけを教えてください。

-きっかけは「わたぼうしコンサート」での出会い  
  障がいを抱えている人が生きている証として書き綴っている「心の詩」をメロディーにのせて発表する「わたぼうしコンサート」。たんぽぽの綿毛が遠くへ飛んで根付くように「障がいを抱える人々の思いも遠くの町まで届いて根付くように」という願いが込められています。奈良県からスタートし、今では全国各地で開催されています。 益田市でも平成8年に開催され、私もボランティアとして参加しました。そこで、障がいを抱えるお子さんの保護者の方から、障がいを抱える人の居場所が益田市には他地域と比べて少ないこと、市外の施設や学校から帰ってきても行くところがないという話を聞きました。たしかにその当時は、益田市内には特別支援学校など障がいを抱える方向けの施設がほとんどなく、施設等を利用する方の多くが益田から離れて生活をしている状況でした。その状況を目の当たりにしたことで、「益田にも障がいを抱える人たちが生き生きと過ごせる場所があれば」という思いを抱き、団体を設立することを決意しました。

Q.団体名「息域スペースポコ・ア・ポコ」の由来を教えてください。

-ゆったり“息”をしながら自分のペースで過ごせる場所
 「ポコ・ア・ポコ」はイタリア語で、「少しずつ」「ぼちぼち」という意味があります。その名のとおり、息域スペースポコ・ア・ポコの仲間たちは自分にあったペースで活動しています。
 また、「息域(いきいき)」とは、「ゆったりと”息”ができる”域”(場所)」を意味します。生きるとは、「ゆったりと”息”ができること」「息ができる”域”(場所)があること」です。人には生きる域(場所)があります。それは、仕事・学校・家庭・趣味の集まりなど人によって様々です。私たちは複数の「域」を行き来しながら生活をしています。時には息苦しさを感じることもあるでしょう。“息”ができない空間は苦しいですよね。
 息域スペースポコ・ア・ポコには、「ゆったりと”息”をしながら、自分のペースで過ごすことのできる”域”(場所)を広めていきたいという思いが込められています。

Q.活動をする上で、大切にしていることは何ですか。

-つながり(地域交流:ソーシャル)を大切に
 生きるとは「ゆったり息ができること」「息ができる域(場所)があること」だと言いましたが、そこで大切になるのは、自分が住む地域を知ること、生きやすい地域を作っていくことだと思います。活動する上で、市内の様々な施設を訪問したり地域イベントに積極的に参加するなど、地域との交流を大切にしてきました。自分から地域に出る、または息域スペースポコ・ア・ポコに訪問してもらうことで、懐かしい人との再会や新たな出会いがあります。出会った人と会話に花を咲かせるのはとても楽しいです。
「人は人との出会いの中でつくられていく」という言葉があります。地域交流によって社会は人と人とが繋がり合うことでつくられていると改めて感じています。日々の活動をとおして、自分自身様々な出会い・新たな縁の広がりができることに感謝しています。

Q.息域スペースポコ・ア・ポコが目指すものを教えてください。

 障がいを抱えている人もいない人も同じ地域の中で1人の人間として生きていくことが「あたり前の社会」であり、そうした社会をつくっていくことが「ノーマライゼーション」といわれています。息域スペースポコ・ア・ポコがそうした社会をつくっていく1つの場になればと思っています。
 また息域スペースポコ・ア・ポコでは、名前の由来でも説明したとおり”息”と”域”を大切に活動しています。生きるには、ゆったりと”息”ができる”域”(場所)が大切です。人にはそれぞれ自分の生きる”域”があり、その”域”の中を自由に行き来することが「生きること」です。生きていく中で、時には息苦しさを感じることもあるでしょうが、そんな時に気持ちよくゆったりと”息”をしながら自分のペースで過ごすことのできる”域”でありたいと思います。

 

取材をとおして

 息域スペースポコ・ア・ポコを訪問した際、普段の生活とは違い時間がゆっくりと流れているように感じると同時に、普段は自分が思うよりも時間に追われる生活をしているのだと気付きました。ポコ・ア・ポコに流れるどこかほっとする雰囲気に、これが小川さんの言われる「ゆっくりと息ができる域」なのだと実感しました。
 この記事を読んだ方にも”息”と”域”を感じてもらえると嬉しく思います。

さあ、あなたも仲間入り

息域スペースポコ・ア・ポコ ホームページ

市民活動支援センター情報誌「ますだすまいる通信」
※益田市市民活動支援センターで毎月発行している情報誌となります。

益田市市民活動支援センターfacebook

文責:連携のまちづくり推進課

facebook twitter
NEW

2022年2月26日 (土)

益田のひとづくり教育,つろうて子育て地域づくり益田20地区,西益田

正解がないからこそ楽しみたい

生きがいのエントリー