2020年12月25日 (金)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,鎌手仕事,働くひと

地域の人からの恩を次の世代へ繋いでいく。

UIターン者サポート宣言企業 社会福祉法人 梅寿会
社員紹介 野村 健さん

鎌手出身で益田産業高校(現:益田翔陽高校)卒業の野村さん。
福祉の勉強のために益田を一度離れたものの、神楽を通して地域の人が自分を待ってくれている優しさが益田に戻る一因だったと言います。そんな野村さんに現在働いている社会福祉法人 梅寿会でのお仕事から趣味の神楽の話を伺いました。

野村さん 福祉に興味を持ったきっかけは、梅寿会内の「ますだ」ハイツに入所していた祖父の面会に行ったことです。「ますだ」ハイツに出入りしていたこともあり、福祉・介護施設とは何か?を子供の頃から身近に感じていました。
また、父が身体に障がいを持っていて、母が保育園で働いていた家庭環境だったのもあり、高校では福祉のコースを選んで勉強に励んでいました。

あえて益田を離れるという選択をする

高校卒業のタイミングで進路に悩んだそうですが、進学のために益田を離れるという選択をし、その後益田に戻るという選択をした背景にはどんな思いがあったのでしょうか?

野村さん 益田や周辺地域にも学校はありましたが、都会への憧れがあったので広島の福祉系の専門学校へ進学し、その後福祉系の大学へ編入しました。大学の夏休みで益田に戻ってきたとき、進路相談会で大畑理事長と服部さん(現:事務局長)と面談をして「ますだ」ハイツでボランティア実習をさせてもらいました。祖父の影響でもともと知っている施設ということもあり、益田に戻って働くならここだろうなと思いながら実習をしていましたが、神楽という存在が益田で過ごしたいと思う最大のきっかけでした。子どもの頃から神楽をやっていて、今でも仕事をしながら週2回の練習に参加しています。

福祉・介護職の現場では、食事介助・入浴介助・排泄介助等の支援をする一方で相談業務・ケアプラン作成といったデスクワークもあります。現在は、益田市基幹相談支援センターで対人援助の業務を主に行っている野村さん。相談という対人援助の仕事内容や仕事のやりがいを聞いてみました。

野村さん 梅寿会では、令和2年4月から益田市の委託で益田市基幹相談支援センターを開設しました。基幹相談支援センターは、障がいをお持ちの方の総合相談の窓口で、設置状況は全国的にも約4割・島根でも4つ目というまだまだ認知度の低いサービス事業所です。障がいをお持ちの方も私たちと同じように生まれてから死ぬまで家に住んだり、買い物に行ったり、風呂に入ったり、ご飯を食べたりすることはまさに“暮らし”ですよね。障がいをお持ちの方が当たり前を当たり前に出来るようにするための相談支援、障がい者の権利擁護、地域で暮らしたいという人の生活を後押しするのが私の仕事です。現在は、障がいを自分事と捉え、地域まるごと生活を高めていこうという国の指針を益田市の実状へどう当てはめていくかを探っているところです。

関わる人々の多様な考えや価値観に苦労してきた一方で、仕事をしている中でのやりがいも大きいと話をしてくれました。

野村さん 対人援助という仕事のため一筋縄にはいかないのですが、障がいのある人の代弁者となって様々な場所へ交渉に行くときにこの人が生活しやすいような環境を作るお手伝いをすることが自分の使命だと感じます。支援者でありながら、障がいをお持ちの方から今まで知らなかったことを教えて頂く機会もあります。また、障がいをお持ちの方がご縁となって、人とのつながりを持てるのはこの仕事の醍醐味ですね。

仕事を頑張る一方で、益田に戻るきっかけであった神楽は地域の人との大切な関わりの場所でもあったそうです。

野村さん 神楽は地域の子どもからすると、ヒーローみたいなもので。みんなが大好きなように僕も子どもの頃から神楽は大好きだったから、大学で県外に出ていた時、お盆や正月に帰ってきたら必ず神楽の場に顔を出していたんです。その時に神楽の先輩や地域の人に「戻って来いよ」と言ってもらえたことが大きかったです。
今の仕事は対人援助ですが、神楽を通して子どものころから人との関わり方やコミュニケーション力を養えたのではないかと思います。保育園児が子ども神楽として神楽に関わっていたり、80歳くらいの方も神楽で関わるので、いろんな世代の人と子どもの頃から交流していました。

神楽の公演は年間50件ほどあって、平日や休日問わず益田以外に関西や九州など様々な場所に行くことがあります。また、神和会のメンバーとして東日本大震災の復興イベントに福島で大蛇を披露し、現地の方と交流したこともありました。平日の場合は有給休暇を取得するのですが、その時も職場の人は快く「いってきんさい」と送り出してくれます。そのため、同僚が有給取得したいときには快く送り出して、その分の仕事をカバーするように心がけています。

受けた恩を繋いでいく

現在の仕事や神楽についての思いに触れたところで、野村さんが仕事やプライベートで大切にしている価値観に迫ります。

野村さん まだまだひよっこで経験不足のところもありますが、ありがたいことにこれまで人に恵まれているなあ、人に愛してもらったと思っています。大学時代から尊敬している先輩から「恩を受けたと思うなら、恩はお前の後輩に返してやれ。こうやって人はつながっていくから。」と言われたことがあって、その話がいまでも鮮明に残っています。様々な仕事を通して得たノウハウや経験を今までに頂いた数々の御恩として今後の若い世代にお返しする番になってきたかなと思っています。
これから就職を控える若い人たちにこんな会社で働きたい、こんな人材になりたい、野村さん素敵だなと思われるように頑張っていきたいですね。 

最後に野村さんに益田のいいところについて伺いました。

野村さん 僕の場合は人に恵まれたのと仕事を通じて人とのつながりを日々身近に感じているので、益田っていうのは人のことを自分のことのように感じる地域で福祉の業界にいるとサザエさんのような世界観のある街だと思う時があります。一家の中に三世代で暮らしていて、近所の人や裏のおじいちゃんおばあちゃんとの交流があって、勝手口から知り合いがふらっと入ってくる。こんな風景は今の時代では考えられないですよね?
都会だと隣の人が誰なのかわからないことがあるけど、益田だったらいろんな人と関わり合いながら生活できるのが良さだと感じます。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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