2021年1月5日 (火)

仕事,UIターン者サポート宣言企業

寄り添い続けることで地域に明るい未来を届ける。

UIターン者サポート宣言企業 企業紹介 社会福祉法人暁ほほえみ福祉会

保育所やこども園の運営、介護複合施設の運営などをしながら、こども食堂やソーラー発電事業など多様な事業を展開している「社会福祉法人 暁ほほえみ福祉会」 

寺修行を経て、福祉の世界に足を踏み入れた3代目理事長山根 崇徳さんに事業内容や地域への思い、さらには保育・福祉事業に対する考えをお聞きしました。

人生は常に変化し続けるもの

山根さん 昭和43年に社会福祉法人 暁福祉会として、保育所やこども園の運営、介護施設・デイサービスの運営などをスタートしました。その後、平成27年と平成30年の2度の合併を経て、現在の社会福祉法人 暁ほほえみ福祉会が誕生しました。

認め合い、支え合い、誰もが生き生きと笑顔で暮らせる地域社会の実現のために、幅広い事業を展開しています。

社会福祉事業において児童福祉と老人福祉の分野で6施設を運営していますが、そこで取り組んでいる事業について、詳しくお聞きしました。

山根さん 益田ひかり保育所では、一輪車や体操などを取り入れながら、単に上手になるだけでなく、上手くなる過程を通じ、挑戦していくエネルギーを得たり、他の子を応援したり助け合う気持ちを育てることで、自分ができるようになることと他人が出来ることの達成感を感じられる保育を届けています。

山根さん 吉田こども園では、いろんな人と関わることを大事にしています。「愛いっぱいの保育をほほえみの中で」を合言葉に、生まれた命をお互いに大事にしあう気持ちを育てる保育を行っています。

山根さん 益田赤十字病院横にある院内保育所「いろどり保育園」では、病院スタッフの方が安心して仕事ができるようにサポートをする役割を果たしていて、夜間保育も行っています。

その他に、病児保育室「ぞうさんのせなか」も運営しています。病児保育は究極の子育て支援だと表現されることもありますが、仕事を抱えながら子育てをしている方は、子どもが急に病気になったとき、子どもと仕事の両方が心配で不安になると思います。一番不安が大きい状況を看護師や保育士ができる限り親に代わって、温かな気持ちで保育をしています。

介護複合施設 つむぎひぐらし苑では、患者さん本人の生活スタイルや自己選択を尊重しながら介護サービスを提供しているとも話してくださいました。

そんな山根さんは、生まれも育ちも益田。
福祉に目を向けたきっかけは、自身の兄が亡くなったことだと話します。

山根さん 幼い頃から病気を抱え、人に嫌われることから関係がスタートしていると感じ、人の裏を考えて生きてきました。実家がお寺だったので、物心がついたときから自分たちの誰かが継がないといけないのではないかと考え、大学は自分の宗派のところに進学しました。しかし、大学2年生のときに兄が亡くなり、将来について考えるようになり、社会学から仏教学へ転学しました。

寺を継ぐか福祉の世界に足を踏み入れるか。
1年間寺修行をしていたときに幼稚園保育園のコンサルタントの話が舞い込みました。

山根さん 兄が亡くなり、どちらの道に進めば良いか悩んでいました。卒業後の1年間、どうしても寺が好きで、寺修行を行いました。寺修行が終わる頃に、2代目理事長である父から関東の幼稚園保育園のコンサルタントの会社をすすめられて1年間仕事をしました。

保育を知らない自分が地域を変えるには

山根さん 福祉や保育に関して興味を持ち始めたのは、益田に戻ったときです。偶然、施設にいた障がいを持つ子どもに自分から声をかけたところ、一瞬だけその子どもの動きが止まりましたが、すぐに笑顔になりました。私はその子どもの姿を見て、幼い頃の自分を見ているように感じました。彼もまた、幼い頃の自分と同じように苦しい思いをしているのではないか、彼のことが気になりました。そんな彼との出会いが福祉や保育に大きく目を向けるきっかけになりました。

益田に戻ってきたばかりの山根さん。
地方での幼稚園保育の違いに違和感を感じたと言います。

山根さん 関東での幼稚園保育園のコンサルタントで働いていたときは、保護者を支えることが子どもを支えることにつながると感じていましたが、益田に帰ってくると子どもを保育することがメインになっていたことに唖然としました。
そして、地方の幼稚園保育を知らない自分だからこそ、子どものためと言いながらも運営側の都合を優先している保育に強く違和感を感じました。

そこで、幼稚園保育のコンサルタント経験から仕事の見せ方を工夫するようになりました。

できることの幅が広がることで見えてくる世界がある

地方の幼稚園保育の在り方を変えるために、関東での幼稚園保育園のコンサルタントの経験を活かしてきた山根さん。理事長になったとき、どんな心情だったのでしょうか。

山根さん 福祉や保育に関して何もわからない自分が園長になることは大変でしたが、父から「好きなようにやりなさい」と後押しされました。また、園長から理事長に変わり、「できることの幅」が変わりました。保育全体や地域全体に対して、地方都市の現状からどう子どもを養おうか考え、動くことができる立場でもあります。やりたいことは多くあるのですが、子どもと直接触れ合うことが少なくなってしまったので今は寂しさがあります。

理事長になり、さまざまな年代層に向けた活動をしている中で複合的に世界を見れるようになったと話す山根さん。企業として、人として、自身が思うできることの幅について聞いてみました。

山根さん まず、視野が広くなりました。私は、子どもやお年寄りなどの困った人に手を伸ばすためには自分が安定していないといけないと思っています。そして「自分が握っている相手を支え続けたい」とも思います。私は理事長としてその相手を支え続けられる仕組みを作り、仕組みを持続できるように調整しています。人に寄り添い、手を握り続けるために、事業を通して自分の思いを大きく持つようになりました。

 

失敗を恐れずに、見えている手を掴みたいと思える人であろう

益田市が定めている「UIターンサポート宣言企業」に登録しています。UIターン者の受け入れを行っている理由にも迫りました。

山根さん 地域課題を解決するために地域の若い人の働き手を増やしたいという思いがありました。市内外から故郷である益田に帰ってくることはもちろん、学生が益田をUIターンの選択肢として考えてくれることが何より嬉しいです。地域で働く選択が広がることにつながる、とても意味あることだと思っています。

益田にUIターンするきっかけになってほしいと語る山根さん。
益田に様々な事業を展開し、地方課題を解決するために今後も発展を遂げる企業として、今後一緒に働きたいと思う人材と若い世代に伝えたいことについても話してくれました。

山根さん 「掴める手、見えている手を掴みたいと思える」どんな人にも寄り添える方と一緒に働きたいですね。私は、寄り添う法人でありたいと思っています。
社員は無資格の人も多いため、資格の有無はあまり気にしていません。確かに資格は大事だと思いますが、人間力が高い人、思いに寄り添える人の方がすごく大切であると考えます。

自分自身が弱いから、何もできない。ではなく、弱い立場だからこそ気付けることがあったり、寄り添える人がいると考えているので、自分は弱いと感じている人が誰かの道しるべになると思います。
失敗できない気持ちから不安を大きくするのではなく、なんとかやってみる、まずは形にすることを大切にしてほしいです。

「100でスタートしなくていい、利用者さんに今できる最高のパフォーマンスをする」という理事長としての私の思いが社員の中にも浸透し始めていると感じます。やってみないとわからないため、どんなことにもやってみることが大事だと思います。

自社のことだけではなく、地域への思いも垣間見えた今回のインタビューの最後に今後のビジョンを伺いました。

山根さん 福祉や老人ホーム事業を始めたきっかけとしては子どもの育ちを支える為の取組でした。しかし、実際に取り組んでみると高齢者福祉には様々な課題があり、支えが必要な利用者さん・ご家族がたくさんいることに気付きました。そのため、法人として取り組まなければならない使命が増えましたし、福祉というカテゴリーで法人が取り組むべきことを捉えるようになりました。そうした活動の中で、福祉を支えるためには地域を支えなければならないと感じるようにもなりました。 私自身地域を支えるためには、地域を支える地域づくりが必要だと感じています。支えるためには、益田から事業を通して価値を見出していきたいと思っています。益田という市のあり方を変えないと10年後にはどうなるか。10年後の地域の未来を支え、今を変えるために、これからも精進していきたいです。

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社会福祉法人 暁ほほえみ福祉会
〒698-0041
島根県益田市高津町イ2559-1
TEL:0856-25-7070
FAX:0856-25-7301

益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(暁ほほえみ福祉会)
①大学生や若年求職者を対象にインターンシップを実施します
②職場に慣れるまでの間、先輩職員が個別にサポートします
③育児も余暇も楽しめる職場環境をつくります

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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