フルール益田

豊田 浩

今が、幸せ。

大阪で生まれ育った私にとって、妻の実家のある益田はとても魅力的なところでした。澄んだ川の水や夜空にきれいに輝く星。里帰りするたびに「いつか益田に住みたい」と思っていました。また、私には「会社を経営したい」という思いもありました。どちらも叶えるために選んだのが「益田で農業をする」という道だったのです。
とはいえ、最初の10年は本当に苦労続きでした。悔しい思いをしたこともたくさんあります。転機は、障がいのある一人の青年との出会いでした。彼と出会い、ともに働く仲間が増えていく中で「幸せ」に対する考え方が根本から変わりました。自分が幸せになりたい。それは当たり前のこと。しかし周りの人が幸せでなければ、自分も幸せにはなれないということに気付いたのです。こうして、人を大切にして仕事を進めることで、仕事もうまく回り始めたのです。
農業には、一人ひとりに応じた役割があります。その人が輝く役割を一緒につくっていくことが、私にとって、楽しく幸せなことです。

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