豊川公民館主事

石田 和美

私には「これが強み」はなかったけれど。

広島で生まれ育った私は、子どもの頃、いわゆる「やる気のない子」でした。自分が言ったら馬鹿にされるんじゃないか、とにかく目立たないようにしよう、そんなことを考えていたものです。転校などを機にそういう自分も少しずつ変えていったけれど、学校の中でとても目立つような輝いている人のことは、どちらかというと、冷めた目で見ていましたね。それは、本当は自分も、もっと自分自身の良さを出していろいろがんばってみたい、という心の底にある気持ちの裏返しだったのだと、今では思います。
結婚し、公民館に勤め、たくさんの人と関わる中で、いろんなことに気づかせてもらいました。地域には、強い思いやすごい能力をもっている人はたくさんいるけれど、その力を活用する場面がないのは、とてももったいないことです。私は、自分には特別な力はないけれど、その分、人と人や、人と機会を繋げることは少し得意なことに気づきました。「あなたは繋ぎ上手ね」という言葉だけは、自分自身でも誇りに思いながら受け止められるようになりました。
大きなまちでは挑戦できないことも、益田なら、豊川ならできる。それがこのまちの楽しいところだと思っています。
私自身、いまだに大きな自信はありません。けれど、きっかけによって人は変わり、自分の良さを発揮できるようになることは知っています。この地域で、一人ひとりの魅力が引き出せるような関わりがこれからもできたらいいな、そんな風に思っています。

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