高津武道館

豊田 篤志

自分に負荷をかける。

武道を始めて45年、道場を始めて30年。競技者としての道を歩むことを一番の目的とするのではなく、武道を通じて何を教えるかという武道教育を大切にしてきました。
単に技を教えるだけなら、写真を見せるだけでもいいのです。しかし、それでは意味がありません。人を相手にし、人との関わりを通して技を体得していく過程こそが、何よりも大切だと考えています。
私たち指導者も、子どもたちを指導する中で学ぶことがたくさんあります。言いたいことを伝えるだけなのは、ただの独りよがりです。それでは、「こんなに一生懸命伝えているのに分かってくれない。」と愚痴をこぼすことになります。子どものせいにせず、どうしたらしっかりと伝えられるかを真剣に考え、伝える手法を磨く。子どもへの伝え方一つとっても、指導者自身が成長するチャンスなのです。
教え子や弟子が増える中で、常に意識していることがあります。それは、自分自身が「先生」と呼ぶ方々に会いに行き、自らを律し、負荷をかける機会を意図的に作ることです。日々、精進を続けています。

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