2020年11月19日 (木)

益田のひとづくり仕事,働くひと地域づくり

地域医療のために

益田市の島根大学医学部医学科地域枠推薦入学第1号の医師であり、益田赤十字病院 消化器内科で勤務されている山口祐貴医師にお話しを伺いました。

地域の人のために

 私が育った地域では、曽祖父母が車で30分もかけて病院に通っていて、大変な思いをしていました。それを見ていたので、小学生のとき「自分が先生になる!」と思ったのが医師を目指したきっかけです。
 地域の人に何かあったときに自分が診てあげられて、すぐに対応できる医師になりたいなと思うようになりました。

元々、負けず嫌い

 医師を目指す中で、学力的なところで、諦めかけたときもありました。
 1年目の受験では医学部に不合格となったのですが、元々、負けず嫌いで、自分が目指したところを諦めることが許せなかったので、再度挑戦しました。
 医師になりたいという強い想いと両親からの後押しもあって、翌年合格することができました。

消化器内科に進んだ理由 ~地域で医療をしたい~

自分がやりたいのは、地域で医療をすることです。
 そのため、内科の病気を診れるようになりたいという思いがずっとありました。
 中でも、お腹が痛いというのは症状としても多いので、消化器内科に進みたいと考えていました。
 実際に研修医として消化器内科に行ったときに内視鏡での検査や処置にやりがいを感じ、自分に合っているなと思いました。

 消化器内科では、胃カメラなどの内視鏡カメラを使った仕事(治療)をしています。
 外来の診療日が週2回で、それ以外の日は検査とか処置をしています。
 処置とは、早期胃がんや総胆管結石を内視鏡で切除することです。
 初めて内視鏡を使ったときは怖さもありましたが、今はできるだけ患者さんにとって、しんどくないように心がけて処置しています。患者さんの苦痛が少なくなったときには「ヨッシャー!」って気持ちになります。

 また、先輩の先生が何でもできる人で、バックアップがしっかりしていて、チャレンジさせてくれます。
 だから安心して、治療ができています。若い消化器内科の先生が経験を積むには、当院はおススメです!

本人にとって良い治療を

 患者さんは、高齢の方が多いので、治療の方針とか検査とか、何をするにしても、患者さんがどう考えているかを大切にしています。
 医師側から治療方針などを提案すると、その通りにされる方が多いのですが、しっかり患者さん自身にも考えてもらうようにしなければならないと思っています。
 処置や検査も全てが楽なものではなく、負担もあります。だからどこまでしっかり検査するのか。本人にとって良い治療が何なのかというのを常に考えています。もちろん、ご家族の気持ちも大切にしています。
 できることを何でもすれば良いというわけではなく、どういう方法があって、良いことばかりではなく、リスクもあるというのも分かってもらった上で選択してもらうようにしています。
 そのために、患者さんとしっかり会話をするようにしています。
 また、遠くの病院へ行かなくても、できるだけ益田で完結できるようにしたいとも思っています。

 さらに今は新型コロナウイルスの影響で面会を制限しています。
 家族に会えずとても寂しい思いをしている患者さんもおられます。
 それが影響して食事が進まないこともあるので、できるだけ早くお家に帰られるようにしてあげたいと思っています。

益田で医師として働く良さ

 益田は地元ということもあるので、喋る言葉がとても身近です。
 地元だからこそ知っている人を治療しなければならないプレッシャーもありますが、その分感謝してもらえます。
 人のあたたかさや感謝など、直接感じとれるところがいいところです。1人1人の大切さを実感します。

 益田から出たいと思っていないので、都会との違いはわかりませんが、今の時代、勉強や知識を得るところはたくさんあります。

 益田で仕事をしたり、暮らす中でマイナスを感じることがなく、嫌だなと思うところもありません。
 中でも、私が育った地域は、信号も近くになく、ゆったりとした時間が流れています。なので、時間があるときは癒されに帰っています。

市民と医療従事者が安心して健康に暮らすために

市民の皆さんには、かかりつけ医を持ってほしいです。
 元気なときは、どういう状態なのか知ってくれている先生がいることが大切です。
 そうでないと、おかしいなと思ったときにどうおかしいのかがわかりません。
 ちょっとしたことでも相談でき、普段の状態を知ってもらえているかかりつけ医を持つことが一番大切なことだと思います。

 今、急性期の病院で勤めていますが、状態がちょっと落ち着いてくると退院して次の機関へという流れになっています。
 しかし、患者さんや家族と退院の調整がうまくいかなかったり、お家で療養できそうだけど、お家の環境が整わないことがあったりして、市外に転院というケースもあります。
 急性期の後の状態が落ち着いたときの患者さんを診るための対応が市内に必要だと感じています。
 患者さんがどんどん高齢化していると感じており、パッと治って家に帰られる人が少なくなっています。
 益田から離れたくないと思っている方が多いので、益田で療養できるような医療を目指したいです。

医師として10年目を迎え

 医師の初めの頃は、今の自分にできることをどんどんやっていくしかないなと思っていました。
 何を勉強しなければならないかわからないところもありましたが、今はその辺が見えるようになったので、知識や技術が足りないところをちゃんと明確にして新しいことや今していない検査とかに挑戦していこうと思っています。
 10年目になって、できることが増えてきたので、しっかり独り立ちしたいと思います。

一人でも多くの患者さんが笑顔になれるように

 この度、秦佐八郎博士顕彰医学生奨学金の義務的な年限を益田市で勤務したことから感謝状をいただきました。
 そのときに、たくさんサポートしてもらって医師になることができ、その後もいろいろ気に掛けて、また支えていただいているなと改めて感じています。
 サポートしてもらってばかりで恩返しできていないのでは、と気にかかっています。
 だから、益田に、そして益田の医療に貢献できるように、今できることをやっていって、一人でも多くの患者さんが笑顔になれるように知識も技術も、人間としても成長できるようにがんばっていきたいと思います。

山口祐貴(やまぐち ゆうき)

益田高校卒業後1年浪人し、益田市1人目の地域枠推薦制度で島根大学医学部入学。
大学卒業後島根大学医学部付属病院で1年研修医として勤務し、研修医2年目から益田赤十字病院勤務。現在は消化器内科の医師として勤務中。

文責:益田市人口拡大課/健康増進課地域医療対策室

facebook twitter
NEW

2020年11月19日 (木)

益田のひとづくり教育,高校生の活動

ミライツクルプログラム夏の陣2020⑤〜海外・農業

同カテゴリーのエントリー

地域づくりのエントリー