2022年5月27日 (金)

益田のひとづくり生きがい,趣味生きがい,伝統芸能益田20地区,都茂

仕事・伝統芸能・子育てを通してつくる、新しい地元との関わり方

楽しいことも、辛いことも全部教えてくれた自然、石見神楽、地域のおじちゃんとおばちゃんたち。だから地元で子育ても仕事もしようって決めてたんです。



自分色でデザインする益田暮らしを紹介するインタビューシリーズ。第一弾の「ますだのひと」は、【仕事】・【伝統芸能】・【子育て】を地元を”拠点の一つ”にして作っている野村大輔さん。

ご出身の中山間地域・美都町で育つ中で感じた、祭りや人の温かさ、四季折々と共にあった暮らしを想い、25歳の時Uターンを決めた人物です。

 

ここには都会や学校ではできないことがすごく多いんじゃないかと思っていて、子ども達には、かつての自分が経験したように、たくさん失敗したり、自然や人に触れて欲しいんです。

 

現在は、地元で起業した会社の経営をしながら、伝統文化の石見神楽社中でも活躍、子どもと過ごす際には、野村さんがかつて遊んだ川へ遊びに連れて行くことも多いのだとか・・・。

地元という存在を恋しく感じたり、積極的に関わりたいという意思を持つ人は徐々に増えている一方で、地元との接点の持ち方が住居を構えるのみに限定されているようにも思われます。

その中で、野村さんは現在も引き続き、地元の若き担い手として、3児の親として、美都町を拠点に暮らしをデザインしていました。

地元の中でもお気に入りの場所だと連れて行ってくださった場所に、散りばめられた思い出とキーワードを辿りながら、こうした地元との関わり方を続ける理由を探ります。


今回の主人公:野村大輔さん

島根県益田市美都町出身。三児の父。高校卒業後は県外に就職するも、独立の決意と共に、地元地域にて「石見造園」を起業。幼少期に始めた伝統芸能・神楽を現在も継続している。1日で最も幸せな時間は、子どもと過ごすこと。


 

あの頃キラキラしていた地域の大人たちを追いかけて

話の舞台は、日本海と中国山地に挟まれた島根県益田市美都町。中でも都茂地区と呼ばれる地域は、昔ながらの小さな商店と家々が並ぶ”都”と街並みをぐるっと囲む美しい山々が、特徴的です。

そんな中まず最初に連れて行ってくださったのが、車で山道を数十分走らせたところに見えてきた思い出の場所です。

 

小さい頃から自然に触れ合いながら育ってきたと思います。
大人になって考えると、すごくいい経験をさせてもらってたんだなあって。

 

そう大輔さんが振り返る過去の写真には、子ども時代を共に過ごした仲間たちや地域のおじちゃんおばちゃんたちの姿も残っていました。

秋の祭りシーズンになると、地元のアツいおじちゃんやおばちゃん達が、ギラギラ目を輝かせながらやっている姿。とにかくめちゃめちゃ楽しそうにどんちゃん騒ぎしていて。それが未だに記憶の中にあるくらいすごく印象的でした。


こうして、
「あれぐらい地元にアツい大人になりたい。」という想いは、物心がついた頃には既に芽生え始めていたそうです。

神楽という青春を共にした仲間たち

島根県西部の石見地方での祭りといえば、「神楽」。

夜がふける頃鳴り響き始めるあの太鼓と笛の音に、胸が高なったことを今でもよく覚えているんだとか。

神楽を見に行く前になるといつもどんなお面を被って出てくるんだろうとワクワクしていました。
小さい頃から、鬼として舞うことに憧れていて・・・

やがて子ども神楽を始めた大輔さんは、迷わず鬼役を選びます。それから年に何度もある公演に向け、練習に没頭した当時をこのように振り返ります。

一緒に頑張っていた何人かの当時の仲間たちは、やっぱりここに残っていますね。みんなも同じように外に出たけど、戻ってきて神楽を続けているんです。やめられないんですよね、不思議なもので。

一生続けたいことが”ここ”にはある

これまでは憧れの鬼を演じたい、その一心でこれまで続けてきたんですが、

今となっては、もしかしたら当時の僕と同じ感覚で見てくれてる子がいるんじゃないかって、子どもたちの憧れになれたらいいなって思ってます。


あくまで仕事や家庭の時間外で行われる神楽の活動を続けるのは、並大抵のことではないはずです。

それでも、翌週の本番を控えた稽古場は、その日も小さい頃からお世話になっている先輩方や仲間たちが集って、賑わいを見せていました。

130年、140年と先代が苦労して繋いできた神楽社中は、地域の宝物。

 

社中の伝統は、昔からこの地域に根付いているものなので、その灯を絶やしちゃいかんな、と。
でも、とにかく素直に楽しいんですよ。やっぱり全てを忘れて没頭できる。

そう話す大輔さんにとって、地域の「灯」は、神楽だけを指す言葉ではなかったようで・・・。



25歳という若さでの起業は、地元であったとはいえ簡単ではなかったが、「なんとかなった」と語る野村さん。

そして、今はこの美都町で「一生会社を続けていきたい」と語っていました。

やるからには徹底的にやりたい。もちろん子育ても。

 

僕は家族といる時間が一番楽しくて、何より一番幸せなんです。
だからこそ、もちろん仕事やる時は仕事を全力でやりますし、
神楽をやる時は神楽を。子育てやる時は子育てを全力で。

”今”というこの瞬間を大切に生きていきたいと思ってます。

 

地元で会社を続けること。
神楽を続けること。
子どもたちに、美都の自然に触れさせること。

こういった大輔さんの選択は、暮らし方でもあり、地元との関わり方としても新しい提案をしているような、そんな気がしました。

現在益田市公式チャンネル(Youtube)では、インタビュー動画バージョンを公開しています。
実際の野村大輔さんの語りと共に、映像ならではの情景をお楽しみください。

取材:一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市連携のまちづくり推進課

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2022年5月27日 (金)

おしらせ,おしらせ益田のひとづくり益田20地区,二条

子どもと一緒に”本物”に触れながら、”自分のものを自分でつくる”暮らし。

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