益田市では、高校生を中心とした、学校や家庭以外の第3の居場所(サードプレイス)づくりを行っています。これから進学や就職などを控え、ライフステージが変化していく時期の若者に対して、いろいろな人との出会いや交流、チャレンジのきっかけや機会などを生み出す“秘密基地”のような場所です。現在、益田拠点と、高津拠点の2つの拠点を設けています。(運営:一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー)
地域や人の情報や思いが交錯するこの場所には、どのような人が集い、また、どのような時間が生まれているのでしょうか。今回は、2025年・春のサードプレイスの風景を紹介します!
益田拠点の日常
元・⾼校⽣が卒業後もサードプレイスをサポート(4月)

今春、益田東高校を卒業した元・高校生が、益田拠点の⼤学⽣スタッフとして現在の来館者たちを迎え⼊れています。高校生時代にサードプレイスを利用していたこの大学生は、自分が過ごした場所で、今度は来館者をサポートする側として関わりたいと考え、スタッフになりたいと申し出てくれました。⾼校⽣の気持ちをよく理解し、また⾃分⾃⾝の体験からサードプレイスの可能性を語れるスタッフとして、来館者が気持ちよく過ごすことのできる場づくりに努めてくれています。
中学時代からの縁で高校1年生が試験勉強に来館(5月)

益田高校の1年生で日常的に来館するようになった生徒がいます。中学校時代に益田拠点で開かれた生徒会の研修をきっかけに、中学生の頃も何度か来館しましたが、高校進学を機に距離が近くなり、一層通いやすくなったようです。試験期間中に来館して勉強をしていた時には、「勉強もできるし気分転換にもなる」と笑顔を見せてくれました。
益田拠点の「ちょっと特別なひととき」
世代や国籍を超えて交流を深めた一日(4月)

4月のある⽇、市内の学校でALTをしている先生が、他のALTや中⾼⽣に声をかけ、多くの来館者を呼び込んでくれました。⾼校のESS部の活動にも参加しているこの先生は、他のALTが益田拠点に来る機会を利⽤して、英語を学ぶ⾼校⽣たちと引き合わせたいと考え、タイミングを合わせてそれぞれに来館を呼びかけたといいます。結果、その⽇来館した⾼校⽣から⼤学⽣、ALTの先⽣までが、ゲームをしたり飲み物を飲んだりしながら、世代や国籍を超えた交流を楽しんでいました。
高津拠点の日常
⾼校⽣のダンス教室に⼩学⽣たちが参加(4月)

4月2日(⽔)、益田翔陽高校の生徒有志によるダンス教室が開かれ、⼩学⽣たちが参加しました。これは、昨年12⽉に来館した⾼校⽣が「こういう場所で⼦どもたちと何かやってみたい」と⼝にしたことをきっかけに⽴ち上がった企画で、今回が3回目の開催となります。子どもたちは毎回楽しく参加し、今回もリピーターの⼩学⽣から初めての小学生まで総勢10名がダンスを楽しみました。教室が始まると、小学生たちはステージ上で踊る3⼈の⾼校⽣を⾒ながら、⼀⽣懸命動きを真似てダンスをし、にぎやかな時間となりました。
高津拠点の「ちょっと特別なひととき」
「お抹茶をいただこう!」の開催(4月)

4月4日(⾦)、お抹茶に造詣が深い地域の方に講師をお願いし「お抹茶をいただこう!」を開催しました。お茶請けのお菓⼦には、⾼津出⾝で中学校時代から⾼津拠点に来館していた⾼校⽣たちがいちご⼤福を作ってくれました。講師の方が基本的な所作や流れについて教える時間や、実際にお点前をしてみる時間には、⼩学⽣も⾼校⽣も真剣な表情で学んでおり、その分、⾹りの良いお茶を⼝にしたときには、ほっとしたような表情を浮かべていました。
高校生が「ごほうびマルシェ」を企画(6月)

6月15日(日)、高津拠点で「ごほうびマルシェ」を開催しました。これまでは職員が中心となり企画・運営してきましたが、今回は益田高校の生徒たちが企画段階から参加しました。最初は「大きなイベントをやってみたい」という漠然とした思いから始まりましたが、職員や関係する地域の方との対話を重ねる中で「“ごほうび”になるようなマルシェをつくりたい」という共通の思いにまとまり、“ごほうび”にちなんだ出店を意識しながら企画をしてきました。

その甲斐あって、当日は地域の方々や益田翔陽高校の生徒たちも出店し、来場者数は200人を超える大にぎわいとなりました。今後も高校生の思いを起点に、多世代が関わる地域の場づくりを進めていきたいと考えています。
文責:益田市教育委員会ひとづくり推進課
文章:一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー