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高津川リバービア株式会社 山田 美代子さん
「移住」と聞くと、長期間その土地に住むことをイメージする方が多いのではないでしょうか。今回のインタビューの主人公 山田 美代子さんは、岩手県盛岡市から益田に1年限定で移住を決められました。
「ビール作りを学びたい」と語る山田さんに会社への思いや益田暮らしについて、お話をお聞きしました。
ビール作りへの興味は図書館から
山田さん 商業高校の出身で、卒業後はいくつかの企業を渡り歩き、最近までは不動産の会社で学生などを相手にアパートを貸す仕事をしていました。そのため、飲食や店頭販売の仕事は未経験でした。
元々ビールが大好きで、普段からビールを飲んでいました。
ある日、図書館で手作りビールに関する本を見つけたことがビール作りに興味を持ったきっかけでした。それまでは、ビールは大手メーカーで作られるものだと思っていたので、手作り味噌のように普通の人が自分の好きな味のビールを作れるのだろうかと疑問と興味を抱きました。そして、飲む側から作る側になってみたいという気持ちに変わり、小規模でビールを作るにはどうすれば良いかと考えていたとき、島根のとあるクラフトビールの醸造所と出会いました。
ビールの主原料の1つ・ホップは、山田さんの地元・岩手県にある遠野市が日本一の生産量。ビールが暮らしの身近にあったものの、醸造作業の内部まで見学をしたり体験をしたりする場所が岩手にはなかったと話します。
しかし、先ほど出てきた島根の醸造所では違ったようです。
山田さん わたしが出会った島根県の醸造所では、大規模な土地や設備を有していなくてもビールが作れることがわかり、ビール作りの作業に携われることも知りました。
そこで、昨年4月にその醸造所でのビール作りに興味がある人々向けの1泊2日の講習会に参加しようと思いました。その講習会へ参加予定の方が入っているFacebookグループに上床社長の名前があり、社長の投稿内容を見た時に「わたしがやりたいことがそのまま文章になっている」と感じました。
直接会ってお話ししてみたいと思い、講習会に参加する予定でしたが、コロナの影響で9月に延期になりました。そして、9月の講習会に参加した帰りに、益田に寄ってこちらの会社を見学させていただきました。
昨年9月に初訪問した際の会社や社員の雰囲気が忘れられなかったそうです。
山田さん 初めてお会いした社長はとても気さくで、ビール作りがメインの辻さんも温かく迎えてくださいました。その後、SNSを通じて高津川リバービアに関する情報をみたり、やり取りをしていく中でこの会社に関わってみたいという思いが次第に強くなりました。
シニアの人を将来的に増やしたいというビジョンを知っていたので、フル勤務じゃなくても関わりたいと思い、仲間に混ぜてもらえないでしょうかとお話しさせていただきました。
「もともと学生時代は積極的に行動を起こすタイプではなかったんです」と山田さん。
家族を岩手に残し、縁もゆかりもない島根・益田に移住する決断に家族はどんな反応を示したのでしょうか。
山田さん 夫は反対も賛成もせず、呆然としていましたね。
ただ、家族や友人が「益田にいる1年のうちに遊びに行かなきゃ」と言ってくれたので、私がきっかけで益田に遊びに来てくれるのは嬉しいですね。益田で住居を探すのに苦労しましたが、1年間と期間を決めていたので移住することへの抵抗は私自身感じていませんでした。むしろ、受け入れてくれた会社の懐の広さを粋に感じて、なんとしても頑張りたいという思いが強くありました。
働いている人との関係性を大切に
以前勤めていた不動産業の仕事をそのまま続けて収入を得るのもよかったものの、お金を得るための仕事よりも自分がやりたい仕事をしてみたい気持ちが強かったと話す山田さん。
益田に移り住んでから約1ヶ月半。現在のお仕事の様子をお伺いしました。
山田さん 何をやるにもあたふたしてしまう毎日ですが、一緒に働いている人と何でも言い合える関係は素晴らしいなと思います。家族ほどべったりしていないけれども、お互いのことが気遣える関係性はいいですね。
社長が「働くことが好きな人と一緒に仕事がしたい」と話していましたが、働くのが好きかどうかは、働く環境が整っていることや仲間を思いやる気持ちが大切な気がします。
益田での1日は今日しかない
ここまで、仕事中心にお聞きしてきましたが、プライベートの様子にも迫りました。
山田さん 島根に留学しているような気分で、私の益田市にいるときの2月3日(取材当日)は今日しかなんですよね。なので、1つ1つが何でも楽しいですし、1日1日を大事にできていると思います。
昨日は神社にお参りに行って豆をいただき、今日はグラントワで開催の夜神楽を観にいくのですが、1つ1つが今日しかないと思いながら過ごすのは楽しいです。これは、会社の理念にもある「日々を謳歌する」につながっていますね。
実は、ビール作りがしたくて益田のことを深く知らずにこの会社に入った山田さん。しかし、益田の街を歩いたり、いろいろな場所を訪れる中で地域の方が話していることが理解できるようになったそうです。
そんな、山田さんに益田の良さと移住に迷っている方へのメッセージをお話しいただきました。
山田さん 人が温かく、自分のことを気にかけてくれる人が多いなと感じます。あとは、駅前にあるお店へ野菜を買いに行った時、買い物後にお店の方から、おまけでレモンをいただいたのがとても嬉しかったです。
移住へのハードルが低いと、一歩目を踏み出しやすいと思います。
わたしは1年ですが、2週間でも、春夏秋冬1週間ずつでも、お試しで暮らしてみれば移住に結びつくかもしれないので、その人ができる範囲・できる形で街を楽しめばいいと思いますね。
インタビューの最後に、
今後働く上での目標や益田で楽しみたいことについてお聞きしました。
山田さん 仕事がしたくて益田に来たので、まずは1通り仕事を覚えること。
そして、お金をもらっている以上、しっかり働いて身に付けられる部分は身に付け、覚えられるものは全て吸収したいなと思います。益田は日本海が近い街なので、海に行ってみたり、ここでしか食べられない料理を食べ、ここでしか観られない石見神楽を観て、自転車で高津川の周りを回ったりなど、ここでしか味わえない経験をしたいです。
取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課