2021年3月19日 (金)

仕事,UIターン者サポート宣言企業

お客様の約束を守り、社会のニーズに応え続ける

益田市UIターン者サポート宣言企業 企業紹介
大見工業株式会社 島根益田工場

萩・石見空港に近接、緑豊かな工業団地の一角に大見工業株式会社の島根益田工場があります。大見工業の本社は愛知県安城市にあり、益田とは480kmほど離れています。

昨年創業90年を迎えた大見工業について、加藤 紀尚さんに会社や事業の紹介・益田への思いについてお話をお聞きしました。

ニーズに合わせた製品を届ける

加藤さん 私たちは、総合切削工具メーカーとして、事業を展開しています。
この益田工場は、2012年4月から操業をしており、正社員22名・パート10名の32名が働いています。正社員で限ると平均年齢が25歳と若く、女性従業員の比率がほぼ半分なのが特徴です。

私たちの会社で製造しているのは、精密刃物と汎用工具の2種類です。
精密刃物は、自動車関連工場のラインで使う刃物が中心で、お客さんのニーズに合わせた特殊刃物を本社工場で製造しており、益田工場では汎用工具をメインに製造しています。
汎用工具はわかりやすくいうと、ホームセンター等で販売している一般ユーザーが日常生活で使うような工具を指します。一般ユーザー以外にも、建設業者や配管業者、電気設備業者などにも使っていただいています。

切削工具は、穴をあける材質によって製品が異なります。
薄い鉄板をあけるお客さん、鉄骨に穴をあけるお客さん、それ以外に木材やステンレスなど用途に応じて製品のラインナップを揃えています。

益田工場の稼働がスタートしたのが今から9年前。
なぜ、益田に工場を建設することになったのでしょうか。

加藤さん 創業90周年を迎え、本社工場の老朽化やスペースの狭さもあり、工場の建設候補地を探していました。全国を回る中で、益田の工業団地に決めた理由は、親身になって相談に応じてくれた市役所の方をはじめとする「人柄」でした。

そのため、島根県の益田市を全国に広めたいという思いで、この工場を「大見工業 島根工場」ではなく、「大見工業 島根益田工場」と名付けたと聞いています。

「約束を守る」これが大見工業の企業理念の1つだと加藤さん。
お客様の納期を守ったり、高品質の製品をお客様に届ける中で、納期が遅れてしまうといったイレギュラーな事態にはどう対応しているのでしょうか。

加藤さん 進捗管理システムを導入しているため、ある程度は自動で納期を設定しています。機械のトラブルなどでの遅れや、客先からの納期短縮の依頼などは、その都度、優先順位を変更してイレギュラーな事態に対応しています。

スローガンを毎日唱和していますが、スローガンの最初の内容が「お客さまの約束を守る」なので、従業員にもその考えは浸透していると思います。

仕組みづくりで人々の力になりたい

愛知県豊田市出身の加藤さん。
実は、学生時代はものづくりにあまり興味がなかったそうです。

加藤さん 最初に就職した会社で生産技術として、社内設備や測定治具などの設計をしていました。そのため、ものづくりに興味を持っていたものの、次第に有形物を作るよりも当時のITブームの影響から情報やデータベースなどの無形物を作ることに興味を持ちました。そして、開発した社内システムを横展開できないかと思い、システム会社に入社しました。
その後、製造業に戻ったため今の会社は3社目になっています。

情報やデータベースに興味を持ったきっかけは、Windows95だったと語る加藤さん。社内システムを開発し、社内の他の従業員が使用することで仕事が便利になるところにやりがいを感じていたそうです。

加藤さん 当時は会社の仕組みづくりに興味があったんでしょうね。今思えば表面的に見えていることだけではなく、深層部分を掘り下げて、物事の仕組みを全て自分で理解したかったんだと思います。前職を通じて「仕組みづくりを通して、みんなを楽にさせたい」というスタンスは変わりません。システムを内部で作るからこそ、サービスユーザーの声や従業員の意見をシステム作りに活かせるなと思っていたタイミングで、大見工業に入社しました。

入社当時の大見工業はアナログ業務だったそうで、
多くの改善ポイントがあるこの会社で働くことに面白さを感じていたといいます。

加藤さん 益田工場の社員は、みんな素直でレスポンスも早いので、この工場のために力になりたいという気持ちがより強くなりました。

現在は、益田工場の責任者・管理者として仕事をしています。
具体的には、お客様からの受注管理、工場をより良くするための方法を利益面から考えること、従業員の頑張りをどう本社へアピールすればよいかを考えています。

益田工場の責任者として、従業員が気持ちよく仕事をするための仕組みづくりを行っている加藤さんがこの仕事でやりがいを感じる瞬間について尋ねました。

加藤さん 益田工場では色々なことが発生するので、刺激的な日々を過ごしています。たまに気付くのですが、仕事を超えて親目線で若い社員と接する場面があります。益田工場の成長と社員の成長を感じながら仕事している瞬間にやりがいを感じます。

夢を叶えるために努力し続ける

益田に工場を建設したこともあり、
大見工業は益田市が定める「UIターン者サポート宣言企業」に登録したそうです。

加藤さん 愛知県から進出してきて、益田市の方に良くしていただいているので、地元に密着した企業として地域に貢献したいという思いから登録につながりました。そのため、正社員は地元の高校を卒業した方を毎年採用しています。

工場見学やインターンシップを全て受け入れていますし、工場見学は年に数十回は行っています。その甲斐もあり、昨年は2人、今年は3名の入社予定となっていますが、背景には益田に製造業が少ないことや業界への固定観念にとらわれない社風・組織体制があると思います。今後も、製造業のイメージを払拭できるように頑張ります。

インタビューの最後に加藤さんのこれからのビジョン、若い世代へのメッセージをいただきました。

加藤さん 益田工場に赴任して1年半が経ちますが、まだまだやりたいことがいっぱいあります。自分がいる間にいろんな仕組みを作ることを楽しんで日々仕事しています。

若い世代に伝えたいのは、「大人の夢は叶う」ということです。
パイロットやyoutuberになりたいというように、子どもの頃の夢はなりたい職業をあげることが多いと思います。一方で、大人になった夢は「こんな仕事がしたい」「こんな人になりたい」「こんな車が乗りたい」といったことを思い浮かべる人がいますが、その夢は思い続ければ実現できると思います。

もちろん、その夢を叶えるためには権限や責任が発生しますが、夢は思い続けて努力すれば叶うと思うので、目標に向かって頑張って欲しいです。

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大見工業株式会社 島根益田工場
〒698-2144
島根県益田市虫追町ロ320-105
TEL 0856-28-8028
FAX 0856-28-8027

益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(大見工業)
①高校生、求職者を対象にインターンシップや職場体験を積極的に受け入れます。
②一人ひとりが自覚と責任を持ち、自主管理のできるようフォロー研修を行います。
③地域社会における環境保護への支援、協力活動に積極的に取り組みます。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,吉田

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