2021年の年末から日本各地でオミクロン株が流行した時期。益田市でも、1月22日より、市内小中高校が休校することとなりました。このピンチをなんとかチャンスに変えることができないか。そこで取り組んだのが、オンラインミライツクルプログラムです。
益田には大学がない……だからこそ
益田市には大学がありません。そのため、進学を希望する益田市内の高校生のうち、進学を希望する生徒の多くは、市外に進学します。
一方、益田市には日本各地から学びに来ている大学生もいます。ある人は長期のインターンシップで、またある人は大学のフィールドワークで、それぞれが、様々な想いを抱きチャレンジの場として益田市を選んで来ています。
できることが限られている休校の時期だからこそ、そのような想いを持っている大学生と高校生が繋がり、互いに学びあうきっかけになればという想いのもと、このオンラインミライツクルプログラムが生まれました。
本プログラムはICTが発達した現代だからこそできる学びの手法でもあります。当日は、オンライン会議システム『ZOOM』を使い、参加生徒には、自宅から個人のタブレット・スマートフォンを使って接続をしてもらいました。
初めてZOOMを使う生徒がいることを想定し、ZOOMへの接続方法をイラストにしたものもLINEを通じて配信することで気軽に参加できるように準備をしました。
オンラインミライツクルプログラムで行ったこと
ここでは例として、1/27(木)に行われたリベラルアーツの回を紹介します。
お話をしてくれた大学生の當銘さんは、国際基督教大学(ICU)の3年生。2021年12月より大学を休学し、益田市で1年間を過ごしています。
まず、當銘さんから自己紹介をかねて、自分がどんな高校生だったのか話してもらいました。當銘さんは沖縄県出身。国際協力に興味をもち、様々な大学を考えたのち、今の大学に決めたそうです。
次に、大学生活について話してもらいました。大学では、ジェンダーセクシャリティを専門にしている當銘さん。どんなことを学ぶのか教えてもらいます。
また、勉強だけでなく、普段の大学生活についても触れてもらいました。留学生が多い環境の中、緑溢れるキャンパスで遊んだり、大学の寮生活で友達と語り合ったりする日常生活を聞いて、高校生の目も好奇心に満ちているようでした。
最後に、なぜ益田市をチャレンジの場として選んだのかを話してもらいました。「益田には何もないよね…」と思ってしまったこともあるという高校生たち。そんな高校生に対し、ある意味で「よそ者」である大学生が「よそ者」の視点から益田市の魅力を語ることは大切だと考えています。
高校生の感想
イベント終了後、参加してくれた高校生からはこんな声をもらいました。
「自分のやりたい分野の先輩の話が聞けて身になりました」
「ジェンダーについて抵抗があったけど、少し考えが変わる機会になりました。ありがとうございました」
「大学のことって中々分からなかったので詳しく知れてよかった。ジェンダーの難しさを改めて知れました」
普段の高校生活では、大学生のリアルな勉強内容や生活を聞かないからこそ、この機会が大きなきっかけになったのではないでしょうか。