約40年前の創業から、3店舗の飲食店経営と仕出しを行なっている有限会社ちるちるみちる。おいしいお料理をお客様に提供するのはもちろん、魅力的な地域産品のPRにも積極的に取組んでこられました。
そんな有限会社ちるちるみちるからこの度新商品「わしのまつなが牛煮込み」が発表されました。
開発に至る経緯や新商品に寄せた想いを有限会社ちるちるみちるの篠原将(しのはらまさる)さんにお聞きしました。
いまできることを考えた
今回、お店で提供している商品をレトルト化されていますが、どういった経緯で開発に至ったのでしょうか。
篠原さん 社長が約40年前に創業して、飲食店と仕出しを行っております。そうした中で約30年前から「まつなが牛」を取り扱っており、PRも含めて提供してきました。
1頭分のお肉を全て買い取り、それぞれの部位をお店で提供してきました。全てのお肉を有効に活用するために、これまでも牛煮込みや牛丼、ハンバーグなどを自社で製造して販売してきましたが、保存期間が限られるために製造販売を断念してきました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、お店への来店者は激減し、本当に厳しい状況になりました。これからも会社を持続させるために出来ることを金融機関や支援機関の皆さんと話し合いをする中で、以前販売していた商品を改めて販売することとしました。
お客様のために妥協はできない
新たな取組だということで、開発の際には様々なご苦労があったと思います。まつなが牛煮込みのレトルト化にあたって、こだわったポイントはありましたか。
篠原さん 保存期間が長く、簡単に食べることができるように、レトルト加工をすることにし、専門工場に依頼して試作を開始しました。試作を重ね、商品化に向けた目途が立った時に、大きな問題が生じました。色々な部位のお肉を使っているため、赤身の多い部分や脂身の多い部分とお肉の状態は様々ですが、専門工場での袋詰めの際に、どうしてもお肉の部位に偏りが生じることがわかりました。
お客様のことを考えるとどうしても納得することが出来ず、何度も改善に向けて話し合いを重ねました。その結果、お肉の加工、味付け、袋詰めまで自社で行い、レトルト加工のみ外部に委託することとなりました。
お肉の塊を切り分け、下ゆでと味付けの煮込みで1日、さらに1日寝かせて、計量と袋詰めを行っています。とても手間はかかっていますが、味に妥協をしたくありませんでした。
これまでお店で提供してきたようなしっかりとお肉に出汁が染みこんだ牛煮込みをレトルト加工後にも味と食感を残して再現することができました。
これからも益田市の魅力を伝えたい
篠原さんのこだわりがたくさんつまった「わしのまつなが牛煮込み」ですが、これからも新商品の開発は続けていかれるのでしょうか。
篠原さん 今回の商品化に向けて、足かけ3年近くかかりましたが、本当に多くの方々のサポートを受けてなんとか完成することができました。この商品は近々ふるさと納税の返礼品として登録する予定です。
これまでもお店では、「まつなが牛」をはじめ地域産品を活用していきましたが、市外の方々にも魅力的な地域産品をPRしていきたいと考えています。この度の新商品がその一助になればと思っております。
今後「わしの」シリーズとして商品を増やして行きたいとも考えています。
取材:益田市産業支援センター
市役所インターン2名
文責:益田市産業支援センター