2021年1月15日 (金)

仕事,UIターン者サポート宣言企業

業界のイメージを変えていく挑戦

UIターン者サポート宣言企業 企業紹介 株式会社 益田タクシー

益田で生活している方は、黄色の行灯が目印の「マスタク」を一度は見たことがあるのではないでしょうか。「マスタク」こと株式会社 益田タクシーについて、常務取締役の藤原 政志さんにお話をお伺いしました。

祖父の影響で接客業を志す

藤原さん 益田タクシーは、1953年に設立され、現在は50名の従業員が働いています。
普段は、一般の旅客自動車事業さらには一般の乗合旅客自動車事業を行なっています。

企業理念に「地域のためになくてはならないマスタクになるために」を掲げ、タクシー会社や旅客業として、この益田のために何かできることはないかと常に考えています。

益田タクシーでは、4人乗りの普通車タクシーだけではなく、9人乗りのジャンボタクシーや車椅子でも乗り降りできる介護タクシー、さらには代行タクシーの営業をしています。

吉田地区出身で市内の高校に通っていたという藤原さんは、
県外の大学に進学し経済学部で勉学に励む中で、接客業に興味を持ったそうです。

藤原さん 飲食店も経営していた祖父がこの益田タクシーを立ち上げました。祖父は私が生まれる前に亡くなってしまったのですが、家族経由で祖父が人と接することは楽しいと言っていたことを聞いていたので、接客は楽しそうだと幼いながらに思っていました。そして大学時代にたまたま行ったロッテリアで、店員さんにの対応に 感動したことがきっかけで、ロッテリアの就職試験を受けることにしました。

その後、ロッテリアに就職が決まった藤原さん。
丸3年働いたものの、辞める決断をしたそうです。その背景にはどんな思いがあったのでしょうか。

藤原さん ロッテリアでの仕事はとても楽しかったのですが、いずれは益田に帰りたいという思いがずっとありました。店長として何店舗かを見るポジションを打診されたタイミングで、これを受けるとこの組織にずっといなければいけないのではないかと思い、そのときに辞める決断をしました。

そこからすぐには益田に帰らずに、ホテルの管理部に就職をしました。地元に帰ったときに活かせるように経理や総務を教えていただき、そこで3年働きました。

ロッテリアやホテルでの経験は、継業を意識していたという藤原さん。
お父様が社長をしていたことで、将来的に兄弟の誰かが継がなければならないと高校生の頃から思っていたそうです。名古屋に引っ越してから、帰省する度に益田への印象が変わったと話します。

藤原さん 名古屋は生活がしやすく便利でしたが、たまに益田に帰省したときに、益田の景色ってこんなに綺麗だったのかと感じるようになりました。益田にいた時は不便だなと思っていましたが、実は自然に恵まれた素敵な場所だったんだと思うようになったんです。名古屋で10年間生活した後に、益田に戻り益田タクシーに就職をしました。

チームプレーを意識した組織作り

益田タクシーに就職をした当時のことや現在のやりがいについて尋ねてみると、藤原さんの中で「チーム」を大切にしていると感じる部分が多々ありました。

藤原さん 私は、色々なことを指示・管理する立場で、社長と従業員の橋渡しとして社内の調整役を担っています。

益田に帰った当初は、社長の息子ということで他の社員との距離を感じていましたが、私自身がめげない性格なので、気になったところは必ず聞いて従業員との関わりを自分から作るように意識していました。タクシーの運転や、基地の中で無線でやりとりをする配線係をやっている姿を見て、運転手の方々が私に対して親近感を持ってくれたのではないかと思います。

私は、現場にいる時にお客様に「ありがとう」と言われたときにやりがいを感じ、社内に対しては、業種的に個人プレーが多い中で運転手たちが会社のお願いに協力をしてくれた瞬間に喜びを感じますね。

会社名に「益田」が入っている益田タクシーは、この地域にどんな想いを持って活動されているのでしょうか。そして、藤原さん自身がUターン者という立場だからこそ、UIターン者に対してどのような思いを持っているのでしょうか。

藤原さん 益田は認知度は低いですが、いい場所やモノが多くあると思っているので、益田の方だけではなく県外や市外の方が足を運ぶきっかけ作りをしていきたいですし、我々にできることはないかと常に考えています。

益田市が定める「UIターン者サポート宣言企業」の1番の加盟理由は、業界的に人手不足の中で何かご縁があればいいなという思いが強くあったことです。宣言内容に定めている「トライアル雇用」は、もともとはハローワークの制度で、試用期間後にお互いが納得して仕事ができるようにするための制度です。私はタクシー業界を変えたいとずっと思っていて、従事者の平均年齢が高い中で、少しでも若い世代の方がこの業界に興味を持つような制度の構築を考え、その第一歩としてトライアル雇用を導入しました。

藤原さんがお話ししていた通り、タクシードライバーの全国平均年齢は60歳を超えているというアンケート結果も出ています。
その中で、若い世代がタクシー業界に興味を持つ仕掛けづくりをどのように行っているのでしょうか。

藤原さん 学生向けの就職イベントに出展し始めて、タクシー業界は働きやすい環境であると3つの観点から伝えています。それは、「タクシーの接客は魅力的な仕事だということ」「ワークライフバランスが取れていること」、そして「高い給料であること」です。

特に、ワークライフバランスの観点では、タクシー業界自体が国土交通省や厚生労働省に勤務時間や拘束時間を決められている業界なので、サービス残業はなく、1分でも超えた場合はペナルティがあります。そのため、働く時間は長いものの、その間頑張ればしっかりと給料が出る仕組みになっています。私たちの会社は2日働いたら1日休みの勤務スタイルになっているので、休みが多いことでプライベートも充実できるのではないかと思います。

益田タクシー内ではさらなる魅力向上のためにあるチームが始動したそうです。
そのチームについて詳しく伺いました。

藤原さん 会社を魅力的にしていこうと「マスタクサミット」というチームを立ち上げました。タクシー会社には色々なイメージがある中で、勤務体系の長さや給料体系が歩合制というデメリットを、社内から意見が出やすい環境にすることで改善につなげられないかと思い、チームを立ち上げました。

実際に大きな変化はまだありませんが、職場内の勤務時間や拘束時間を今までよりも月に30時間減らすことができました。

30時間ってすごい時間ですよね。今までも法律には触れていなかったのですが、それだけ時間が減ったということは体調管理がしやすい環境になっているのではないかと思います。

ありがとうを言われることへの喜びとチャレンジすることを大切に

マスタクサミットが立ち上がったことで、
今まで以上に働きやすい環境になりつつある益田タクシーの魅力をお聞きしました。

藤原さん 「失敗してもやってみよう」というチャレンジ好きな従業員が多いことが特徴です。あとは、会社の電話番号が覚えやすいことですかね。

最後に、益田タクシーがどういった方と一緒に仕事がしたいのか。
そして、藤原さん自身が若い世代に対して伝えたいことをお話いただきました。

藤原さん 私たちが求めている人は、運転が好きな人というのもありますが、「ありがとう」とお客さんに言われた時にそれを嬉しいと感じられる人ですね。運転手へ親切な対応を呼びかけた効果なのか、お客様からのクレームが最近は減少しています。クレームが減ってきているということは、何かお客様の中でも感じてもらえることがあるのではないかと思います。

私はとにかくチャレンジをすることが好きで、チャレンジをしたい人です。若い頃は意固地で内向的な性格で、何かやろうとなった時でもなかなか腰が上がらないタイプでしたが、働き始めて様々な人と出会う中で、「藤原さんは元気だね、いつも笑っているね」と言われることが多くなりました。

ポジテイブであれば人生楽しいです。私は小学生にサッカーを教えていますが、その中で子どもたちに「やらずにクヨクヨするんだったら、やって何か感じろ」と伝えています。若い方も悩みはあると思いますが、やらずにクヨクヨするのではなく、やってみた上で失敗だったとしても成長に繋がると思うので、何か悩んだらチャレンジしてほしいなと思います。

私自身も思ったことをやろうと努力していますし、若い方にもそういった意識を持ってもらえたら嬉しいです。


益田タクシー 株式会社
〒698-0034 島根県益田市赤城町6-22
TEL 0856-22-8181

益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(益田タクシー株式会社)
①年齢、経験を問わず、働く意欲のある方を応援します。
②UIターン者や若者求職者のトライアル雇用を実施します。
③有給休暇が取得しやすい環境をつくります。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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