2022年3月14日 (月)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,種

「自分ができなくても、誰かがカバーしてくれる」 地域に愛されてきた松永牧場が、未来に向けて思うこと。

企業に属して働くか、個人事業主で働くか。

それぞれにメリットとデメリットがありますが、企業で働くことのメリットとして、自分にできないことを他の社員がカバーしてくれるということが挙げられるかと思います。

今回お話を伺った株式会社松永牧場は、市内のスーパーに「まつなが牛」のブランドで牛肉を売り出していたり、「メイプル牛乳」を販売していたりと、益田圏域の人々の暮らしを支えています。その牛肉や牛乳が出来上がるまでには、従業員はもちろん、獣医やスーパーの関係者など多くの人が関わっています。

「毎日がピンチの連続ですが、その度に誰かがカバーしてくれます」

そう語るのは、取締役の松永 拓磨さん。企業で働くことのメリットを最大限に活用しながら働かれている松永さんに、松永牧場の概要や魅力、次世代への思いについてお聞きしました。

誰かがカバーしてくれる安心感

松永さん 昭和48年に農事組合法人化、平成25年に株式会社化しました。松永牧場単体では30名近い従業員、グループ会社としては70名ほどの従業員がいます。

肉牛・酪農ともにフィールドにしながら、自分たちの牧場で生まれた仔牛を肥育にかけて、出荷をする体制が整っているのは、全国でも少ないので、その点は松永牧場の強みなのかなと思います。


牛を産ませ、肥育したのち、最終形の肉牛や乳牛にするまでを、自社で行っている松永牧場の経営規模は西日本でトップクラス。そんなこともあり、若い人が入社するケースも増え始めていると松永さんは話されます。


そんな松永さんも、飼料会社で7年勤務したのち、松永牧場に入社。
牛を一から育てる経験が少ないため苦労したそうですが、そんなときに会社の誰かがカバーしてくれたといいます。

松永さん 牛を育てる感覚は、レゴブロックを積み上げるような感覚なんです。毎日薄いものを積み上げていって、正しい位置にブロックが置かれていなかったり、ずれていたりすれば、誰かが直してくれる。そんな感覚を持っています。もし土台部分から崩れたとしても、一から積み直すこともありますし、どこか崩れていたらそれに気づいた人が直していく。一頭ずつの牛に対して、対応を変えながら仕事に当たっています。

牛舎ごとに担当する人は異なるので、少なくともその担当者には、自分が気づいた牛の体調の変化は伝えていますし、担当者がわたしに対して、牛の小さな変化を伝えてくれることもありますね。

松永牧場(本場)を上空から撮影した写真


チームで作っていく


牛を育てる上で必要な条件が、気温、水、配合飼料の流通。
その中の気温と水に関しては、益田は気候変動が少なく、自然環境に恵まれているため、牛を育てるのに適しているのだそう。その一方で、配合飼料に関しては、日本海側には船をつけられないため、太平洋側の港から益田まで輸送するコストがデメリットになってしまう。そこで、飼料を自分たちで作れるようにしたことで、輸送コストを下げ、デメリットをメリットに変える取り組みを進めたといいます。

松永さん デメリットだったところをメリットに変えるように、松永牧場はみんなで補い合ったり、足りないところを誰かがカバーしたりできる点が良いなと思います。

弊社のスタッフより仕事ができる人は多くいますが、牧場単位での能力は、うちを上回っているところはそう多くないと思うし、どこにも劣っていないと思います。弊社に関わる全ての人が補い合いながらやっている感覚があります。


誰かが欠けても良いような体制を整えつつ、社員自身も自部門間でのミーティングを毎日行い、情報共有を行っているそうで、主体的に取り組む社員が多いのが松永牧場の特徴としてあります。その他の松永牧場の魅力・強みについてもお聞きしました。

松永さん  品評会での結果や、普段の業務が他の会社には簡単に真似できないことが、松永牧場の強みだと思います。ただ、これらの強みは、社長や専務が築いてくれたことなので、今後はわたしの色を入れていきたいですし、そのためにも、いろいろなことに取り組み、ダメだったことは次に生かし、よかったものは続けていきます。そして、今よりも広いことを考えないといけないので、どんな会社にしていくかを自分の中で考えています。


未来につないでいくために


運転免許さえあれば、資格や免許に関しては入社してから取得できるそうで、「きっかけがどうであれ興味を持ったひとがいれば、ぜひきて欲しいなと思います」と松永さんはお話しされていました。

インタビューの最後に、今後の展望をお聞きしました。

松永さん キヌヤさんのように地域を盛り上げようとしてくれるスーパーや、そこで関わってくれる人がいることがありがたいと思いますし、ユタラボさんや西部県民センターさんがきっかけとなり、学生と話す機会をいただいたりと、学生と話す機会も増えてきました。そうした機会を活かし、子どもたちにわたしたちが汲み取ってきた想いをつないでいかないといけない。つないでいかないと、牛乳を飲んでくれる人がいなくなったり、作った牛肉を食べてくれる人がいなくなったりして、事業が続いていかないと思っています。

代替肉や大豆ミートなど健康志向の人が増えてきている中、牛肉を食べてもらうには、小さい頃から食べてもらうこと、生産者の思いを知ってもらうことが大事なのではと考えているので、弊社が広告塔となって様々な企業とタイアップし、今までにないものを作ってみたい。そして、より多くの人に身近な企業として認知してもらいたいですね。

::::::::::

「益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容」(株式会社 松永牧場)
①大学生や若年求職者を対象としたインターンシップを実施します。
②新規採用の従業員が気軽に悩みを相談できる窓口を設置します。
③育児休暇が取得しやすい環境づくりと円滑な職場復帰に向けたサポートを実施します。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市連携のまちづくり推進課

facebook twitter
NEW

2022年3月14日 (月)

益田のひとづくり教育

児童クラブの活動:JR×アクアスによるスペシャルツアー

同カテゴリーのエントリー

仕事のエントリー