UIターン者サポート宣言企業 社員紹介 株式会社 美都森林
中島 雄介さん
「ものづくり」から「林業」という異業種への挑戦。
今回お話を伺った、中島 雄介さんは美都森林で働き始めて6年目。
ある出来事がきっかけで、林業という領域に足を踏み入れた中島さんに林業の仕事についてやご自身の思いなど、お話をお聞きしました。
工場で働き始めて覚えた違和感
中島さん 高校時代は野球部に入っていて、ずっと野球に打ち込んでいました。
学科は電子機械科だったので、ものづくりを行う中で将来的にものづくりに携わりたいという思いが強くなりました。
生まれも育ちも高津地区という、中島さん。
幼少期に持石海岸で石積みをしたり、ものをつくりあげた経験がものづくりへの興味に結びついたといいます。
そんな、中島さんは高校卒業後どんな選択をされたのでしょうか。
中島さん 益田にある工場で働き始めました。
工場で扱う製品が同じであること、同じ場所で同じ仕事をしていくスタイルに物足りなさを感じ始めました。それと同時に、夜遅い時間も休日も働いている状況に違和感を感じていました。
そして、ものづくりはしているけど何か違うという感覚、このままこの会社にいても何にもならないのではという疑問を抱き、会社を辞めることにしました。3年目ということで、いろいろな仕事ができるようにはなり、会社からもこれからの活躍を期待されている中で、辞めることになるのは申し訳ないと思っていましたし、正直とても悩みました。ただ、自分の思いや考えを同僚や先輩方に伝えたところ、理解してくれて「また戻ってきても全然大丈夫」と言ってくださる方もいました。
その経験から、自分だけで悩まずに、自分の意見や考えを話してみることの大切さに気付きましたね。
様々な悩みや葛藤を抱えながらも、最終的には新卒入社した会社を自分の意思で辞めることを決めた中島さん。
その後は、どういった会社を選んだのでしょうか。
中島さん 工場では動かない仕事だったので、現場で体を動かす仕事がいいなと思い、調べていました。
また、前の会社を辞めるタイミングで結婚をしていたこともあり、夜間も休日も仕事で家を空けてしまうことや子どもが生まれた時に奥さんに全て任せることに違和感を感じていたので、休みがきちんと決まっていることも次の仕事を選ぶ上で重要視していました。
そう考えていく中で、林業での働き方が合致するのではないかと思いました。工場とは違った仕事に挑戦してみたいという思いが強くあり、林業に興味を持ち始めました。そして、奥さんが美都の人であったこと、所属している社会人野球チームの中に美都森林で働いている人が2人いたことがきっかけで美都森林を知りました。
その後、美都森林で実際に働いている方から現場で働く若い世代が少ないということを聞いていたので、やっていけるか不安ではありましたが、現場で仕事がしたいという思いが強かったので、事務所を訪れました。
チームで仕事をすることの楽しさ
その後、美都森林で働くことになった中島さんは、現在働き始めて6年目。
現在どんな仕事をされているのか、工場で働いていた時との違いについてお聞きしました。
中島さん 今は現場で樹木を伐採することがメインですが、たまに機械や重機に乗ることもあります。木を倒した時の音は、私生活では味わえない音なのでやりがいや楽しさを感じています。
工場で働いていた時と大きく違うのは、いろんな現場で仕事をすることです。
現場の状況や季節によって、森林の特徴や切り方も変わるので、その違いを感じながら仕事をすることが楽しいです。あと、林業に携わる人は本当に元気だなと思います。
みんなで和やかに過ごしたり、リラックスして仕事をする一方で、スイッチが入ったりここ一番の仕事では集中して取り組むので、ほとんどの人がメリハリを効かせて仕事をしています。林業は、基本的にチームで仕事をすることが多いので、班の仲間との関係性を大事にして仕事をしています。さらに、自分がやったことが誰かにつながっていくので、次に仕事をする人が負担にならないように丁寧な仕事をする事を心がけています。
林業という新たな仕事に楽しさを感じ、仕事に邁進する中島さん。
二児の父でもある中島さんは、プライベートの時間はどのように過ごしているのでしょうか。
中島さん 美都にある社会人の軟式野球チームに所属をしながら、野球を続けています。あとは、この会社に入ってからハマった筋トレをしています。
腹筋ローラーやベンチプレスなどで体を鍛えていますが、体を鍛えることによって、重いものを運んだり木を伐採する時に少しでも仕事が楽になるので、筋トレの時間が仕事につながっていると思います。
仲間に頼りながら自分で道を切り開く
「野球では持久力が鍛えられるので、仕事と違う部位が鍛えられるんですよね」と語る中島さんは、若い世代に伝えたいことがあるそうです。
中島さん 悩むこともあるかと思いますが、それを自分だけで抱え込まずに友人や先輩などいろんな人に相談をしたり、頼ってほしいなと思います。
私自身、物事を深く考える性格なのもあり、20歳で転職するまで自分の悩みを誰かに話したりすることが難しかった。もちろん、最終的には自分の人生なので自分で決めることではありますが、悩みを親しい誰かに気軽に相談できるといいですよね。
現在26歳の中島さん。
インタビューの最後に、働く上での今後の目標をお聞きしました。
中島さん 仕事面では、重機を扱えるように。
資格を持っていたとしても、重機を使いながら仕事をするためには経験が必要になると思うので、少しずつ経験を積んでいきたいです。
私自身、子どももいますので家族を育てていけるように、自分のためよりも家族のために仕事を頑張ります。
取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課