2021年3月29日 (月)

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理想の環境を追い求めた先に

益田市UIターン者サポート宣言企業 社員紹介
株式会社NAGASE 佐々木さん

益田で暮らす方々の中には、「益田には何もない」と思う方もいるのではないでしょうか。
今回インタビューさせていただいた、株式会社NAGASEで働く佐々木さんもその一人でした。都会への憧れを持ち、高校卒業後に東京へ拠点を移した佐々木さん。
東京で働く中で違和感を抱き、益田に戻ることになった佐々木さんにこれまでの生き方や将来に向けた目標をお聞きしました。

地域の大人と関わることが好きだった

佐々木さん 私は匹見の出身で、小学校の全校生徒が5人という環境で育ちました。そのため、幼少期は大人子ども関係なく遊んでいました。家の隣にある老人ホームにイベントの有無に関わらず遊びに行き、おばあちゃんたちと関わりながら楽しい時間を過ごしていました。

一度益田を離れましたが、今でも地元のおばあちゃんたちとの関わりは続いています。年配の方は車を持っていなかったり、孤立しがちなところがあるので、買い物に行く方を車に乗せたり、独居の方の家に遊びに行ったりしています。

地域との関わりを大切にされている佐々木さん。
同世代が少ない匹見の環境で育ったからこそ、家族以外の大人たちから色々と教えてもらったり、話をしていたといいます。

佐々木さん 小学生の時、私が先生となって年配の方にパソコンの使い方を教えたことが印象に残っています。匹見は人口が少ないので、そこに住んでいる人を大事にしなければいけないと幼少期から思っていました。

中学生まで匹見で生活していた佐々木さんですが、高校は市内に出ることになります。益田東高校で勉学に励む中で、都会への憧れを抱きます。

佐々木さん 田舎の狭い街で過ごしていたこともあり、とにかく都会にいきたいと思っていました。匹見の人口が少なく、その中でも子どもの人数が少なかったので、大人と関わる機会はあっても子どもと関わる機会がありませんでした。そういったこともあり、高校生になって多くの人たちと関われたことが嬉しく、もっと多くの人がいる場所に行きたいと思い、東京を目指しました。

現実と理想で悩んだ東京生活

東京の大学を目指して勉強に取り組み、結果的に東京にある大学に入学した佐々木さん。東京の大学では、マーケティングを専攻していたそうです。

佐々木さん 当時アパレルで、アパレルのマーケティングを勉強したかったんです。
就職活動を控えたタイミングでは、その道に進もうと考えていたのですが、アパレル業界の仕組みや構造を知っていくうちに、自分が本当にやりたい仕事はこれなのだろうかと違和感を覚え始めました。

当時は狭い世界しか見ておらず、理想と現実の狭間で悩んでいました。そして、自分自身はアパレルの販売者側ではなく購入者側になりたいと思い、アパレルの道に進まない選択をしました。

アパレル業界は自分のやりたいことではないと感じた佐々木さんですが、
その後はどういった選択をされたのでしょうか。

佐々木さん 当時、芸能事務所で事務仕事やイベントのサポート業務のアルバイトしていたのですが、そこにお手伝いのような形で働き始めることになりました。

海外に日本のカルチャーを発信したり、大規模イベントの開催に携わる日々はとても楽しかったのですが、次第に都会での生活に疲れてしまいました。その後は、釣りメディアでライターをしたり、YouTubeの撮影を手伝ったりといろいろなことを経験しました。

東京でさまざまな仕事を経験していく中で、
佐々木さんは今後の暮らしについて考えるようになったといいます。

佐々木さん 東京でなんとなく生きていくことはできると思いましたが、仕事あるいはプライベートだけが充実している生活になってしまうと感じ、仕事とプライベートをバランスよく両立させることは難しいと思うようになりました。

一方で、生まれ育った益田だと仕事とプライベートをともに充実させることができるのではないかと想像し、東京で満足のいく生活を送ろうと思ったらしんどいと感じたことも相まって、益田に戻ろうと決めました。

地域に貢献する仕事を

ゆったりとした生活が送れる匹見という地で育ったからこそ、
仕事とプライベートのバランスがとれた生活が自身の大切にしたい暮らし方だと気づいた佐々木さん。
益田に戻られた今、益田での暮らしをどう感じているのでしょうか。

佐々木さん 現在は新型コロナウイルスの影響で都会との往来がしにくい状況ですが、益田には空港があるため都心部とのアクセスが良く、田舎に住みながら都会に遊びにいくことがしやすい街だと思います。また、田舎に住みながら都会に遊びにいくスタイルが自分の心と体のバランスを保つ方法なのではないかと気付きました。

知人からの紹介で、この会社で働くことになった佐々木さん。
現在はどんな仕事をされているのでしょうか。

佐々木さん 買い物弱者の支援を目的に開発されたシステムを、どのように益田に展開していくかを考えています。この仕事は、市街地から離れた環境で暮らす人々を幸せにできる・助けられる可能性を含んでいると思います。

そのため、この仕事に携わることは自分が生まれ育った地域への貢献が出来るのではないかとワクワクしています。

益田を一度離れた、都会での生活を経験した佐々木さんに益田の良いところをお聞きすると、意外な回答が返ってきました。

佐々木さん 「ない」が「ある」ところが益田の良さだと思います。
生活に不便さを覚えたり、不自由なところはあるけれど、自由がある。だからこそ、何かを生み出そうとしている人が多いのだと感じます。

プライベートで益田市内の飲食店でテイクアウトをして、友人と公園で一緒に食べたりしていますが、そうした時間が日々の暮らしには大切なのではないでしょうか。

インタビューの最後に、佐々木さんのこれからの目標をお聞きしました。

佐々木さん 私自身、会社の力になりたいと強く思っています。
「豊かな社会」の実現や「すべての人が当たり前の幸せを実現できる社会」を会社のビジョンに掲げているからこそ、会社で考えているシステムで買い物弱者が過ごしやすい環境を整えていきたいです。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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