時代とともに、私たちの環境は変わり、状況も変わります。昔の大人たちでは想像できなかっ た未来が現在あり、私たちが見ることができない未来を子どもたちは生きていきます。そうした中 で、価値観も変化をしていきますし、職業そのものの種類やあり方も変わっていくでしょう 。
こうした変化に臆することなく、「自分の人生を能動的に生きていくことができる力を育むこと」を目的に、益田市では平成27年より、「ライフキャリア教育」を推進しております。
その一環として、益田市が実施しているのが「ミライツクルプログラム」です。本記事では、ミライツクルプログラムの紹介、及びそのプログラムにかける主催者側の意図をお届けします。
ミライツクルプログラムとは
ミライツクルプログラムとは、益田近辺で活躍している社会人(=TATSUZIN:タツジン) が、中・高校生を対象に実施する、体験型ワークショップのことです。
社会人が仕事・地域・趣味などで夢中になっている活動を、中高生も実際に体験して、またその社会人がそれに夢中になっている理由やそのやりがいについても話を聞くことで、生徒が自身のライフキャリアを考え、今からでもできる一歩について考えます。
1つのプログラムは2-3時間程度のボリュームで、多様なジャンルを年間20回実施しています。昨年度に引き続き、今年度も「国際」「食」「スポーツ」「福祉」などをテーマとし、様々な分野のTATSUZINと一緒に場を作っています。
ミライツクルプログラムの一例
ここでは、今年の夏休みに行った「イタリアンとフレンチから学ぶ益田の食のミリョク」をご紹介します。
この企画では、益田でレストランを開いているシェフをお二人お呼びし、実際に益田で野菜を生産している農家さんにもご協力をいただき、「なぜ益田でレストランを開いているのか?」に迫る機会を作りました。
まず、野菜を生産している方の農園に行き、野菜作りにかける思いを聞きました。
次に、実際にレストランにいき、農場で収穫した野菜を使って調理体験をしました。
最後に、シェフの方がどのような思いを持ってレストランを経営しているか聞きました。
このようなプログラムを、各TATSUZINと一緒に毎回作っています。
なぜ私たちが、このプログラムに取り組むのか
○中高生にとって
青春時代は、かけがえのない時代。また、自分の生き方=ライフキャリアについて考える大切な期間でもあります。
ミライツクルプログラムに参加することで、自分の興味・関心のある分野に触れてみたり、TATSUZINとなる大人の生き方を知ることができます。そうした経験の中で、「自分はこれが好き」「自分はこんなふうに生きてみたい!」など、自分のライフキャリアを改めて考える機会を届けています。
○大人にとって
大人になると、なかなか地域の子どもと話す機会がなくなってしまうもの。
その中で、中高生と関わることで、新しいアイディアを得たり、自身の日々の活動を振り返り、大切にしたいことを改めて考えたりすることができます。それは、大人の心にも火を灯し、新しいチャレンジのきっかけになるかもしれません。
ミライツクルプログラムは、決して生徒のためだけのものではなく、講師となる大人にとっても価値のあるプログラムになるように設計しています。
ミライツクルプログラムの特徴
上述した思いを叶えるために、ミライツクルプログラムでは次の3つを大切にしています。
①体験する・やってみる
料理する・演じる・取材する・触れてみる…。
「体験する」という行為には、ただ話を聞くだけでは感じられない価値があります。「今までやったことなかったけれど、やったら意外と面白かった!」など、好奇心をかきたて、自身の興味・関心の新しいタネを探すことできます。
②TATSUZINのライフキャリアに触れる
ミライツクルプログラムは、ただ新しい体験をするだけのものではありません。
TATSUZINがどんなことを大切にしているのか、どんな青春時代を送ってきたのかなど、TATSUZIN自身の生き様(=ライフキャリア)に触れることも大切にしています。
目の前にいるTATSUZINのライフキャリアを感じ、生徒が自分の生き方の参考にしてもらえたらと考えています。
③一緒に企む
ミライツクルプログラムは、「ミライ」を「ツクル」場所。
今日の経験を次にどう生かしていくか、次にどんなチャレンジをしていくか、大人と生徒が一緒に考える時間を取っています。
何か”やってみたい”を持っている大人と、生徒が出会う場所。
それが、ミライツクルプログラム。
後編では、「一緒に企む」ことで、どんな動きが益田で起こっているのかをご紹介します。
文責:益田市協働のひとづくり推進課