2021年3月25日 (木)

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ふとした瞬間がキャリアの転換点に

益田市UIターン者サポート宣言企業 社員紹介
伸共木材協同組合 寺井 雄司さん

高校を卒業すると大学に進むことが多い都心部に比べ、益田の高校生は就職を選択する生徒が多くいます。伸共木材協同組合で働いている寺井 雄司さんも高校卒業後に就職を選んだ一人です。

就職のために、一度益田を離れた寺井さんがこちらの会社に入社した理由や現在の仕事内容、さらには益田の街の良さについてお話しいただきました。

地元に戻ることを決意

寺井さん 高校は益田工業高校(現:益田翔陽高校)の電気科の出身で、在学中は中学校から続けていたバスケットボール部に属していました。
電気科では、電気の基礎知識から電気工事・電子回路など幅広く学んでいました。

卒業後9割の生徒が就職を選んでいたことや、大手の電気会社を含めた多くの企業からの求人票が届くため、大学に行くよりも就職した方がいいなと思い就職することに決めました。

就職を決めたものの、一度県外に出てみたいという思いが寺井さんは強かったようで、広島の企業を就職先に選ばれました。

寺井さん 広島のビルメンテナンス会社に就職をし、主に建物の設備管理全般を担当していました。電気の配線工事は高校で勉強したり資格を取得していたので役立ちましたが、電気設備に関しては高校のときに勉強していたわけではなかったので、働く中で覚えました。

東京への転勤も経験しながら、
8年ほど勤めた寺井さんは27歳のときに益田に戻ることを決めたそうです。

寺井さん 帰省で頻繁に益田に帰ってきていたのですが、その時から将来的に益田に帰ることを意識していました。27歳の時期が仕事に一区切りをつけるタイミングと重なり、益田に戻ろうと決意を固めました。

会社を退社して益田に戻ることを決めたのは、勇気が必要でしたが、思った時に行動しないと益田に帰れないと思ったんです。
仕事でいろいろと考えることがあったり、20代後半ということで将来のことを考える中で益田に戻ることを選択肢として思い浮かべていました。そして、特に深い理由はありませんが、あることをきっかけに益田に戻ろう!とビシッと決めました。

求人がつないでくれた「林業」という新たな領域

「何かしようと思ったわけではなく、とりあえず益田に戻ろうと思ったんです」と寺井さん。職探しをしている中で、現在の会社に出会ったといいます。

寺井さん 益田に戻ってきて、仕事を探しているときにこの会社の求人を偶然見つけたんです。その時、林業ってどんな仕事をしているんだろうと目に止まったことがきっかけで応募してみました。当時は、林業に明確なイメージを持っておらず、ただ木を切る仕事なのかなと漠然と思っていました。

この会社に入ることが決まり、そこから9年が経ちました。
現在の仕事は主に木の伐採・集材および造材です。
図面に記載されている決められた範囲の木を伐採し、それを集材機や柱を据えた状態で架線を貼り集材。そして、集材した木を土場で造材します。その後、トラックに積めるように5mくらいに切ったり、スギの用材は4mくらいに切りトラックでこの会社の工場に運ぶようにするのが主な仕事です。

林業の仕事は3〜4人の班で仕事をするそう。
その中でチームで働くことの大変さを感じる時もあるようです。

寺井さん 協力して一つの目標に向かっていく仕事なので、その目標を達成できた時は達成感を感じます。仕事の年数が重なるにつれて知識も増えますが、その一方でチームメンバー間の考えの相違が出てきます。そこをうまく調和させることが大変なことです。最終的な目標は、1ヶ月ごとに決められた木を出荷することです。そのため、1日の目標は作業の進捗状況や現場環境によって変わりますね。

体力面の過酷さや夏の猛暑と冬の極寒の環境を我慢したり、日々の仕事で努力を続けた結果、今まで達成できなかった目標やできなかったことができるようになった瞬間にやりがいを感じます。林業の全ての集材機を扱うのは奥深く、伐採は怪我も伴うためスキルを習得するには時間を要するので、日々勉強することが多いです。

寺井さんが働いている伸共木材協同組合は、平日の終業時間後はプライベートの時間を確保するように努めているそうで、二児のパパでもある寺井さんはお風呂に入れたりするなど、プライベートの時間は子どもと一緒に過ごす時間になっているそうです。

寺井さん 子どもと一緒に過ごすからこそ、仕事と家庭の時間を分けて考えるようにしています。仕事の不安などを家に持ち込んでも家族に迷惑をかけてしまうだけなので、仕事のことを考えずに過ごしています。

リーダーとして役割を全うする

益田を離れ、東京や広島での生活を経験した寺井さん。
生まれ故郷を離れたからこそ、都市部と益田での生活は気持ちの余裕が異なると話します。

寺井さん 東京で生活していた時は時間の経過が早く、気が張り詰めた感覚でしたが、益田に戻ってきた時は気が抜けたような感覚を覚え、その感覚の違いに慣れるのに大変でした。益田の良さは、突出しているものはないけれど、自分が育った街・知っている人がいる街だからこそ落ち着いて過ごせることが良いところだと思います。

インタビューの最後に、これからの寺井さんの目標についてお聞きしました。

寺井さん 現在、ある班の副班長をしています。
副班長は班長の補佐や班長と班員の間に入る中間役として、新人班員に仕事を教えたり班員とのコミュニケーションをとることが役割です。今後は、その上の班長になって現場を取り仕切ったり、リーダーとして班員を引っ張る役割を担えるように頑張ります。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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