2023年3月23日 (木)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田のひとづくり生きがい,家庭教育,未就学児

卒園後も地域のぬくもり続く益田の保育

待機児童0。

昨今大きな問題として待機児童問題が多く取り上げられる中、益田市ではこれを実現しています。

しかし、裏を返せば少子化により各園の存続は厳しいものになってきているのが現実。でもそんな状況だからこそ、益田市内の29の認可保育所(園)・認定こども園が加入している益田市保育研究会では、お互いの園が切磋琢磨しながらそれぞれ特色ある保育を展開しています。

自然豊かな益田で、子どもたちに様々な体験を届けたい。

そう語ってくださったのは、市内にあるめばえ保育園の園長であるとともに益田市保育研究会の会長を務める田中文仁さん、事務局を担当する檜谷涼子さん。今回は益田市保育研究会の取り組みや益田の保育環境についてお二方にお伺いしました。

いろんな環境・体験を子どもたちに

ー益田市保育研究会の概要を教えてくださいー

檜谷さん:益田市保育研究会は、益田市の保育環境の質をより良く、高めていくことを目的として昭和40年ごろから活動していて、現在は市内29の認可保育所(園) ・認定こども園と330人(2022年12月現在)の保育士が加入しています。

全国でも数の少ない事務局を有している保育研究会で、食育推進部会や保健部会など5つの専門部会と、保育の質向上委員会や子育て支援委員会など4つの委員会から構成されています。特に保育の質向上委員会では、島根県立大学と連携し、県立大学の教授陣と共同で環境部会や造形部会などを運営しています。

益田市保育研究会HP:http://masuho-k.jp/publics/index/2/

写真は造形部会の様子。
この日は小麦粘土の作り方や色付けの工夫についての研修会が開催されていました。

―益田市の保育環境の特色はどんなところでしょうか?―

田中さん:益田市各地、山間や町中など様々な条件の地域に29園ありますが、それぞれが、それぞれの地域の特色を生かした保育をしています。園のある地域によっても体験できる内容が異なるので、それを多様な選択肢の中から選んでもらえるというのが一番の魅力だと思います。

またどの園でも自然のなかで子どもたちがいろんな体験をしていろんなことを感じられるような保育を大切にしています。例えば夏には多くの園で川遊びが行われており、そうした自然の中での活動を通して同じ地域にある学校や地域の方との交流も生まれています。益田市保育研究会では部会での研修を徹底して安全に十分留意しながら、子どもたちにいろんな体験を届けられるようにしています。

子どもの明るさ=地域の明るさ

―益田市保育研究会としてどんな子どもを育んでいきたいですか?-

田中さん:地域のいろんな人との関りを持った保育を実施していきたいです。地域と関わることの良さは「地域の人が自分のことを大切にしてくれているな」と子どもたちが感じられることだと考えています。子どもたちが、「あのおじちゃんおばちゃんのことよく知らないけれどいつも僕に優しくしてくれるなあ」と思えて、「おじちゃんこんにちは!」「〇〇くん元気にしてたかい?」というようなやりとりがある。そんな地域のぬくもりが感じられるところだと思います。

檜谷さん:そしてその関係性が卒園してもずっと続きますよね。卒園して小学校に入っても、地域の方が「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかけてくれる。成長をずっと地域の方に見守っていただけます。

田中さん:やっぱり保育は地域ともすごくつながっているもので、子どもが明るいということは地域が明るいということにもつながると思うんです。子どもたちが今しかできない子どもたちらしく過ごせる保証をすることも地域への貢献につながってくると考えています。

自分の想いをもって、多様な環境でチャレンジ

―益田市で保育に関わる魅力ややりがいはなんですか?―

田中さん:誰もが自分の想いを持って保育をすることができる点ですかね。若手の方にとってはとても魅力になる点なのではないかと思います。地域の人の関りがたくさんあること、自然がたくさんあること、それを活かした保育ができる。一方で市内に保育を学ぶ場がないことは益田市の弱点。ただそんな中でも地元に戻ってがんばろうという若手の保育士さんもいる。そんな方たちが益田という自然や地域との関わりが深いフィールドで、都会ではできない、自分の想いの中でチャレンジしながら保育できることが魅力だと思います。それが子どもたちの成長にとっても大切なことであるし、それを大切にした保育が益田でできているということは益田市の保育の一つの強みであると考えます。

子どもも保育者も生き生きとしている未来を

―保育研究会としてどんな未来を描いていきたいですか?―

田中さん:保育研究会があるからこそ各園のプライドはより強いものになり、責任を確認し合うことができています。よりよい方向に向かってお互いの保育園の情報交換もできる。自分が所属する園だけだとどうしても視野は狭くなってしまいますから。保育研究会があることで全体が底上げされているという感覚がありますね。

子どもたちが生き生きしていること、そのためには保育者も生き生きとしていることが大切だと考えます。そんな未来を描くためには保育士たちもものすごく勉強して努力する必要があるとは思いますが、そこを保育研究会として補助しながら、お互いに助け合いながらすすめていきたいです。


「益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容」(益田市保育研究会)
①希望者に向けた就職情報の積極的な情報発信を行います
②就職後の研修機会や保育者同士の交流の機会を作ります
③就職後の困りごとや保育の悩みなどの相談サポートを行います

文責:連携のまちづくり推進課
取材:一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー

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人とのつながりを大切にしながら 自然の中で子どもたちとアクティブに

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