益田市UIターン者サポート宣言企業 企業紹介
一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
「過疎」発祥の地・益田に2020年4月、1つの団体が誕生しました。
Iターン者9名のスタッフで構成されている、一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー(通称:ユタラボ)です。
益田暮らしに魅了され、縁もゆかりもない益田で幅広く活動しているユタラボで職員をしている井上 高臣さんにユタラボの事業紹介ならびにご自身が思う益田暮らしの良さについてお聞きしました。
“居場所”づくり事業と“ひと”づくり事業を展開
井上さん 私たちは「豊かな暮らしを、すべてのひとに」というビジョンを掲げ、「居場所づくり」事業と「ひとづくり」事業を行っています。
居場所づくり事業では、自分らしくいられる安心・安全な居場所を、全てのこどもと大人へ届けるべく、学校(職場)と家以外の第3の居場所「サードプレイス」を作ったり、既存のコミュニティへの研修などを通じて、今いる場所にとらわれない多様な足場を持つ大切さを伝えています。
一方のひとづくり事業では、市内に通う小中高生が地域の大人との対話を通じて、これまでの人生を振り返り、お互いの描きたい未来を考える対話プログラム「対話+」の運営や「新・職場体験」のサポート、民間企業や市役所の新規採用者向けの研修などを行っています。そのほかにも、市内4高校と地域が連携した授業設計の支援や高校生による地域活動の伴走、UIターン者向けへの定住情報発信サイト「ますだのひと」の記事作成、移住相談会の運営、地域づくりの伴走支援など教育・地域づくり・人材育成といった幅広いジャンルで活動しています。
何でも手に入り、流行の最先端を感じられる都市での生活は、便利さを手に入れる代わりに人とのつながりや手触り感のある暮らしを作りにくい。その一方で、益田での暮らしは、人と人とのつながりを感じることができ、仕事ありきの関係性にとどまらないと井上さんは話します。
井上さん ユタラボの仕事柄、普段関わる人は年齢や職業が異なる人です。
一般の民間会社だと、取引先から依頼を受けて、その依頼を遂行して終わるのが通常かと思います。しかし、ユタラボでは、会社と会社・会社と個人とあらゆるケースでも、仕事だけの関係性では終わらないと思います。最初は仕事で関わり始めたとしてもそこから仲良くし始め、プライベートで一緒に遊びにいく関係性になることもあります。その例として、対話+のキャストとして協力いただいた、私の家の隣にある車屋さんに自分の車を見てもらっています。そういったように、会社名ではなく個人名で関われる人が多いことがこの街の良さにつながっています。
益田に来た時は誰も知り合いがいませんでしたが、この仕事をさせてもらう中で知り合いが増えたので、人とのつながり方は都会と違うと感じますね。
益田との出会いが自分には必要だった
神奈川県の出身の井上さん。
益田との出会いは4年前の大学のゼミのフィールドワークだったといいます。
井上さん 地域の方々と協力して地域内で交流するイベントを行ったのですが、地元の人と外者であるわたしたちが協働することでお互いのニーズを満たすことの難しさを感じました。ただ、この時に出会った地域の方々が親身になって接してくださったのが何よりも嬉しく、ゼミ終了後も月に1回プライベートで益田に通うようになりました。
益田でのフィールドワークの成果発表を行った「ひとが育つまち益田フォーラム」終了後、就職活動を地元でスタートさせた井上さん。しかし、就活をする中で「ここで働くことは果たして幸せなのか」と考えるようになり、その時に頭をよぎったのが実習先の益田の人々でした。
井上さん 就活を終えて電車に乗っている時に見た、スーツ姿のサラリーマンはどこが表情が暗く、この人たちはいつ笑っているのだろうかと考えてしまいました。
そのとき、益田なら自分らしく働けるかもしれないと思い、受け入れでお世話になった檜垣さん(現:ユタラボ代表理事)にすぐ連絡をし、夜行バスに乗って益田に向かいました。1週間かけて益田での仕事を体感したことで、東京での就活を全て取りやめ、益田で働く決意を固めました。
幅広い世代の地域活動を応援する
市役所の嘱託職員としての勤務を経て、2020年4月に設立されたユタラボに加わった井上さん。現在のお仕事についてお聞きしました。
井上さん ユタラボは様々な仕事をしている中で、私は主に地域づくりの担当をしています。
具体的には、地域にある公民館や地域自治組織のサポートをしたり、あまり地域活動に関わっていない人がこれから地域づくりに参画してもらえるようなきっかけ作りをしています。前職が市役所の嘱託職員だったので、その時から「20代〜50代の現役世代の地域活動を応援すること」が益田でやりたいことでした。
仕事をしながら時間を見つけて地域の方と交流したり、地域活動に参加をしたり、仕事終わりに様々な人がご飯やサークル活動などに誘ってくれることを含め、仕事とプライベートの時間が両立できる益田暮らしの心地よさを感じている井上さん。
Iターン者である井上さんに、益田市UIターン者サポート宣言企業への登録理由を伺いました。
井上さん ユタラボのビジョンに共感する考えを持っているUIターン者の人にユタラボに来て欲しいという願いで、登録を決めました。
UIターン者でこれほど様々な人と関われる仕事はないですし、ジャンルの限界なく仕事ができるので、それまで益田との関係性がないUIターンの人たちでも一気に知り合いが増える仕事だと思います。
あとは働くことに抜きにして、UIターン者の人にはユタラボを玄関口と捉えて、オフィスに来て欲しいですね。
多くの人に関わってもらうために
昨年4月に設立し、活動開始から1年となったユタラボ。
今後、さらに事業を広げていくためには新たな仲間も必要かと思います。
井上さん自身、どんな人と働きたいと考えているのでしょうか。
井上さん 日々ユタラボで働く中で、業務内容・関わる世代共に幅広いと感じます。
メンバー同士の興味や関心は異なりますし、ユタラボがやっている全ての事業に共感する必要はないと考えています。ただ、根っこの部分である「豊かな暮らしを、すべてのひとに」というビジョンに共感できる人であれば、お互いにリスペクトして働けると思います。
ユタラボはベンチャー企業だからこそ、自分のやりたいことであれば自分が積極的に言えば、仕事になるんです。なので、個人のやりたいことは1つ1つ違って良いと思いますが、根っこの部分に共感して貰えば嬉しいなと思います。
インタビューの最後に、ユタラボの今後のビジョンをお伺いすると、
もっと多くの益田市民の方に活動を知って欲しいという言葉がありました。
井上さん ユタラボはできたばかりの組織でありながら、益田市の仕事をさせていただいています。たくさんの方に関わっていただきましたが、まだまだ市民の方への認知度が低いと感じています。益田市の仕事を多くしている団体だからこそ、もっと多くの人に知ってもらいたいですし、どんな仕事を私たちがしているのかを知って欲しい。そのためにも、1つ1つの仕事を丁寧に行い、一緒に関わってもらえる人が増えるように頑張ります。
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一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
〒698-0021
島根県益田市幸町8-18
TEL 0856-25-7143
HP https://www.yutalab.com/
益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(ユタラボ)
①積極的な大学生等のインターンの受け入れ
②中山間地域の空き家を紹介するなどの暮らしのサポート
③サードプレイスとしての仕事以外の活動機会の提供
取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課