放課後とは?
子どもが1年間、学校で過ごす時間は約1600時間。
一方で、放課後(平日の授業後、土日、長期休業、振替休日)を過ごす時間は約1720時間。
学校が終わった後、友達と遊びに出掛け、時間を忘れて遊んだ経験が皆さんにもあるのではないでしょうか?授業以外の時間に様々な体験で興味・関心を深め、人と関わり、時にはケガやトラブルが起こる中で、自分でその自覚がなくても、子どもはたくさんのことを学んで成長していきます。
ですが最近では、社会情勢の変化により子ども達が群れて遊ぶ姿がなくなり、ゲームなど家での一人遊びや、習い事の時間が増えています。また、凶悪犯罪の発生と、それに過剰反応する社会により、昔以上に安心・安全が意識されるようになってきました。さらには、家庭環境の多様化や地域社会の変化により、子育てに責任を持つ保護者の方々にとっても、子どもとの関わり方が難しくなっている場面もあるかと思います。
このように考えると、本来、放課後は子どもが育つ時間であるはずですが、そうとは言い切れないのが現状です。
地域全体で作り上げる放課後を目指す
そんな現代社会において、地域全体で子どもの育ちを支えていく仕組みづくりが進められています。
そうした活動の拠点となるのは、学校。なぜなら、子ども・保護者にとって安全安心であるうえに、地域住民にとっても集いやすく、様々な活動を行うのにピッタリの場だからです。子どもが豊かな放課後を過ごすとともに、保護者が安心して子育てと仕事を両立できる環境を作っていくこと。そして、学校を地域住民の生涯学習の場として活用することで、子どもが新たな体験をする場を開いていくこと。それらを目標に、「益田市のめざす放課後」の実現に向けて動いています。
連携スタート!
現在益田市では、放課後児童クラブの学校施設内での実施や、放課後児童クラブとボランティアハウスの一体的な活動を推進しています。
最初のアクションとして、吉田小学校放課後児童クラブ「トマトクラブ」と「吉田ボランティアハウス」で活動を開始。12月には紙飛行機づくりを行い、1月には焼き芋づくり・凧づくりと、寒い季節ならではの活動を実施しました。
イベントの内容によっては「簡単すぎるから、やらん(やらない)」と言う子、友達の体験する姿を見て「やっぱりやりたい」と後から参加する子と様々。今まで一緒に活動したことのない大人がいることで、少し緊張気味の子もいました。関わる大人としては、いつもより静かに落ち着いて活動できたので助かったという声も。
活動後に、大人の方々に感想を聞いたところ、「1つの施設だけではできない活動ができて良かった」「今後の連携のイメージができた」という意見があった反面、「活動内容が簡単か難しいかには個人差が有るので、普通の活動日とは別に、難易度の高い活動をする『発展の日』などを設けると良いのでは」「支援が必要な子への対応を検討する必要があると思う」といった、今後の活動をより良いものにするための改善点もあがりました。
子どもも大人も活動の中で学び、成長していく。益田市に住む人々がもっと魅力的になれるように、吉田小学校の連携事業をモデルとして、他地区への展開を進めていきます。
文責/子ども福祉課