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2024年12月2日 (月)

益田のひとづくり教育,高校生生きがい

明誠高等学校の生徒が益田の人の”その人らしさ”を伝える

地域×映像×キャリアサポート授業=”らしさ”を見つける・知る・伝える

明誠高等学校全日制普通科3年生12チームの生徒98名が2024年6月~9月のキャリアサポート授業で、地域の人の魅力を伝える15秒動画を作成しました。

授業のテーマは「行動する」です。

今までの知識や体験を踏まえ、自ら社会に対して行動する学年となるためです。

具体的には地域の人との繋がりを持ち、地域の人の魅力に対する以下の3つの行動です。

①見つける(出会い)

②知る(訪問・インタビュー)

③伝える(動画として社会に表現)

自分らしさも見つけ、知り、伝えるワークを取り入れており、自己探求と自己認識にも繋がる授業です。

コーディネーター兼講師である私、玉置は東京在住であり、多くの授業はオンラインで行いました。

今回は、ルワンダ在住21歳起業家の三好花奈さんから”限られた高校生活”について、東京在住 聴覚障碍者である佐々木優佳さんから”伝える”について、オンライン授業でお話しいただきました。

オンラインは、未知と対面の中間に位置し、社会に1歩踏み出すことと同様、未知の世界に繋がることとなります。

 

3か月に及んだ地域との交流と自己対話の授業

生徒が12名の地域の方と初めて出会ったのは、私からのインタビュー動画でした。動画を見て「なぜその人とチームを組みたいか」というアピール合戦をして、チームが決まりました。1回目の訪問でインタビューや撮影をし、自分たちの力のみで1分~2分のプレゼンテーションを創り発表会を実施。

その後、プロの映像ディレクターであるシャンソンさんの授業で、撮影方法や撮影される側の体験を通して、15秒動画作成に移りました。絵コンテを作成し、必要な素材を撮りに2回目の訪問へ。

シャンソンさんからオンラインでフィードバックを受け、プロの技術や視点を経て動画が完成しました。

どのチームも、とても素敵な15秒動画となりました。発表会では、地域の方、オンラインで参加した方、先生、スタッフ、そして生徒がそれぞれ1票を投じて上位3チームが表彰されました。

授業内容をまとめた動画はこちらです。生徒に動画編集を公募したところ、大畑暖佳さんが立候補し、作成してくれました。主体的な行動が生まれたことをとても嬉しく思います。

 

メディアやネットや場を通じた広がりから自然な行動や交流が生まれる

今回、シャンソンさんの授業にテレビ取材が入り放映されたことで、テレビを見たおばあちゃんから電話が来たという生徒がいました。また、完成した動画は明誠高校のInstagramに投稿され、「Instagram見たよ~!」と様々な方から声をかけられたという地域の方もいました。

また、ご協力のもと、益田市観光協会のサイネージに12チームが創った動画が約1か月間放映されました。藤井結愛さんに、12チームの動画を1つの動画に編集してもらい放映されました。

全生徒に放映アナウンスをした数日後には、「生徒が観光協会に見に来ていましたよ」と観光協会よりご連絡頂き、ご協力いただいた地域の方に知らせると「さっそく見に行ってみます」とお返事を頂きました。

対面ではないメディアやネット、街の中に伝える場があることで、届く人は当たり前に変わり、見た人、関わった人から、自然と行動や交流が生まれました。

 

授業を通じて地域へ繋がり安心と勇気が生まれる

今回、授業を通じて、結果的に”益田で普段会わない益田の人同士“を繋げることとなりました。

地域の方からは「普段、接することのない年代の生徒と接することは、とても新鮮でした」「夏休みのお祭りで話しかけられました」「自分の同級生と顔がそっくりと思ったら、彼の甥っ子で、お盆で帰省したタイミングでその同級生が、数十年ぶりにうちに会いに来ました」「発表会の休み時間に、今度遊びに行きたいと言われて、そこからその子とたくさん話しましたよ」と様々な感想やご報告を頂きました。

最後の授業では、関わった外部講師の方々、地域の12人の方からの生徒に向けたサプライズメッセージ動画を流しました。これまでの授業で一番生徒が集中し、画面を見ていました。そのメッセージは、まさに“らしさ”が出ている、様々な人生を経験した方たちからの素敵なメッセージでした。

「日々の暮らしの中に幸せはあるんじゃないかな。残りの高校生活でもそんなことを想ってみてみたらどうかな。」

「どこでやるかじゃない。そこで何をするかだ。頑張れ!」

「作ってくれた動画は、辛いとき、落ち込んだ時に見ようと思います。」

「いっぱい失敗をして好きなことを見つけてください。」

「残りの高校生活を思い切り楽しんで!」

生徒からの感想は心に響いたことの証でいっぱいでした。

「私も頑張ろうと思いました」

「いろんな方からのメッセージが嬉しかった」

「実際に会いに行けたことが楽しかった」

「うちのチームの動画は絶対入賞するよ!と言われて嬉しかった」

徐々に身近になっていった地域の方と生徒たち。

対面で会ったのは、たった2回の訪問と発表会。たった数回の交流でも、肩書やネットでわからない“その人らしさ”に着目して交流することは、更に繋がりを深めると感じました。

地域の方からの最初のメッセージ動画で、「益田のいいところは?」という私の質問に対してについて、多くの方が「人がよく挑戦しやすい街」と言っておられました。そのような益田の皆様のおかげで、今回の授業を無事に終え、生徒たちは、授業を通じて交流の面白さと、行動することへの安心と勇気を頂いたのではないかと思います。

地域の皆様とのご縁と温かいご対応に心より感謝し、生徒たちがまた1歩、自分らしく歩むきっかけとなればと思います。

 

明誠高等学校 キャリアサポート授業コーディネーター

NPO Megurie 代表 玉置梨絵

 

最後に

今回、益田の魅力的な方々への取材を通し、対話を重ねながら、その人の生きがいや考え方に触れることができ、生徒たちの今後の生き方の参考になることがたくさんあったと感じています。また、その人を知るために集めた多くの情報からその人らしさを分り易く表現する動画作成では、15秒の制約に苦戦しながらも、その制約があることでかえって深くその人の価値観を考えることができたと思います。

グループ毎に作成した動画を成果発表会で視聴し、益田市で活躍される多くの方々の生き方を、授業を受けた3年生全員で共有することもできました。発表会の後、ある生徒が「校長先生、このような授業を受けさせてくれてありがとうございました」と私のところまで言いに来ました。学びのフィールドを地域に移して行う授業は、教科書では学べない貴重な学びの機会であることを改めて実感し、大変嬉しく思いました。

コーディネーターの玉置さんや協力していただいた地域の方々に深くお礼申し上げます。

生徒たちがこの経験を通して、新しいことに挑戦する勇気を身につけ、地域社会の一員として主体的に行動していく姿を期待し、作成した動画がたくさんの人に益田市の良さを知ってもらうきっかけになればと願っています

 

明誠高等学校 

校長 岩本康幸

 

文責:連携のまちづくり推進課              

文章:明誠高等学校 キャリアサポート授業コーディネーター

NPO Megurie 代表 玉置梨絵           

 

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