2021年3月31日 (水)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,都茂

若い世代が森づくりに関わりたいと思ってもらうために

益田市UIターン者サポート宣言企業 企業紹介
株式会社 美都森林

地域の経済成長を力強く牽引する企業として、経済産業省より「地域未来牽引企業」に認定されたのが今回取材した株式会社 美都森林です。森を守り、地域を豊かにするための取り組みについて、取締役・総本部長の齋藤 俊二さんにお話しいただきました。

美都のために立ち上がった

齋藤さん 平成10年の9月に設立。当初は間伐材生産事業を中心に行っていましたが、順次事業を拡大し、今では多角的に事業展開しています。

切った木を市場に出荷してお金にかえる素材生産事業、設立当初から行っている間伐材生産事業、木を切った跡地に新たな木を植えて育てる造林事業、建設業の工事区域にある木を伐採し、搬出を行う土木建設伐採事業、それに伴う産業廃棄物の処理事業も行っています。

さらに、農業にも取り組んでおり、 借り受けた農地で米やそば・ゆずを栽培したり、道の駅の経営や電気の送・配電線に関する業務も請け負っています。

従業員30名の企業ながら、幅広く仕事を手掛けている美都森林。
益田三隅道路の開通に向けた建設伐採が今の業務の中心だといいますが、米やそばづくりといった農業分野に事業拡大したのはなぜだったのでしょうか。

齋藤さん 我々の会社がある美都町は中山間地域で、林(山)と農(田・畑)は切り離せない地域です。

田畑を管理している方の高齢化に伴い、維持管理を続けていく事が困難となる状況を見据え、地元の方が農業法人を立ち上げられ、生産・管理に努めておられました。しかし、年々増えていく休耕田の管理を農業法人だけで行う事が難しくなったため、農業関係に携わっていた社員を有する、美都森林もサポーターとして農業のお手伝いをしようということでスタートしました。

米づくりからスタートした農業事業がゆずやそばに広がりを見せました。
ここまでのお話の中で、地元・美都への思いが強いと感じたので、美都への思いについてお聞きしました。

齋藤さん 社長は特に地元愛が強く、日頃から農業が廃ると地域が廃ると言われており、わたしたちもそう思っています。林と農は切り離せないくらい近いものがあるので、両方を廃らせないためにも自分たちができることをやっていこうと考えています。

林業だから得られる高揚感と達成感

今回取材対応していただいている齋藤さんは、益田市内の高校を卒業し、やりたいことのないまま一般企業に就職。その後、測量士補の資格を活かして、益田にUターンしたそうです。

齋藤さん 益田に戻って、測量の仕事を3年半経験したタイミングで、森林組合の合併により美都町の森林組合がなくなり、新たに美都森林が立ち上がるという話がありました。

私の父が森林組合で素材生産の仕事をしており、その父に美都森林に関わってほしいという言葉があったそうです。そこで父は「新しい会社でやるなら、若い子達と一緒に仕事がしたい」と思い、わたしに声をかけてくれました。測量の仕事でも山に入って仕事をすることが多くあったので、山での仕事への抵抗は特にありませんでした。そして、自分が美都森林に貢献できるのであればと思い、入社することを決めました。

事業開始の平成11年から関わっているという齋藤さん。
今年で在籍して22年目ということですが、それまで在籍していた測量の仕事と林業の仕事のやりがいの違いについてお聞きしました。

齋藤さん 山の中で汗をかくことは一緒かもしれませんが、林業は木を倒したり、刈り払い機で藪を刈る仕事があり、木を倒す時は自分の思うような方向に倒せるとすごく嬉しく、高揚感を感じます。また、仕事が終わって振り返ると、1日の成果が目に見えて分かるので、達成感もあります。

美都森林で働く方の多くが林業の初心者だったと、齋藤さんは話します。
林業初心者の従業員は、小さな木を伐採することからスタートし、徐々に大きな木や難しい木を伐採できるようになるといいます。

将来の世代のためにできること

近年、日本の林業は成長産業として、若者の林業従事者比率が高まっているというデータが出る中で、美都森林は今後どんな人と働きたいと考えているのでしょうか。

齋藤さん 明るくコミュニケーションが取れて、やる気・根気・元気がある若い方に長く勤めてもらいたいです。

市内の高校生の新卒採用を3年前から始めたのですが、地元の高校生自体の人数が少なくなってきていますし、他の企業さんも採用に力を入れ始めているので、どうしても競争率の高い採用になってしまいます。これからも、地元からの採用者を入れたいのはもちろんですが、林業が若い世代に注目されつつある状況の中、都会という分母の大きなところにも発信をしていかないと、今後は従業員の確保が難しいのではと思い、UIターン者サポート宣言企業への登録を決めました。

美都森林の企業理念として、「森・人・調和」が定められています。
Iターン者が昨年から3人入社するなど、樵夫として働く人が増える中で、理念に込められた思いについてお聞きしました。

齋藤さん 私たちは森があることで恩恵を受けている側なので、森と人が調和しないと森が破壊されてしまいます。また、木は喋らないので成果をすぐに確認することができません。何十年後かに出てくる成果が森にとって良い結果であるためには、私達がスキルアップを図り、森にとって何が一番良いのかを考え、感じられる人でなければと考えています。

森林の伐採が悪いように捉えられる場面がありますが、森林伐採は決して悪ではありません。
昔の人は定期的に木を切り、薪や炭に使っていました。切った切株からは新しい芽がはえて、木が更新されるんです。その結果、若い木が多く育ち、二酸化炭素をより吸収する効果が生まれるんです。木を切ることは悪ではないですが、乱伐につながらないようにしなければと思っています。

環境問題と暮らしの両立は難しい問題ですが、
齋藤さんは「林業に関わる私たちが発信を増やすことで、多くの人に林業を理解される状況になると思います」と話します。

新事業を通して地域にさらなる貢献を

そんな齋藤さんに、林業でのやりがいについてお聞きしました。

齋藤さん 山は同じ現場が全くありません。谷や尾根など山の形状が異なり、同じ方法が通用しないため、どういったやり方を選択するかが損得に表れます。なので、現場ごとにやり方を変えないといけない難しさはありますが、やりがいや面白さを感じます。

美都森林は、若い従業員を積極的に採用し、若い人材が働きやすい環境を整えています。そこで、齋藤さんに若い世代が林業に興味を持ってもらうための取り組みをお聞きしました。

齋藤さん 就活イベントには積極的に出るようにしたり、子育て世代が安心して働ける環境づくりを心がけています。

チェーンソーや刈り払い機、その他の装備品も会社が貸与しています。その他、長靴や地下足袋も会社から支給しています。
新しく入った従業員が仕事を始める時に、自分で準備するものがないようにしているので、仕事はすごくやりやすいのではないかと思います。

また、小学校に入るまでの子どもを持つ従業員に対して、1年間で5日休めるように有給休暇とは別で看護休暇を設けています。子育ては、お父さんもお母さんも共に参加して子育てなので、どちらかの負担ばかりが増えないように会社がサポートできたらと思っています。

インタビューの最後に、これから美都森林が目指す目標について伺いました。

齋藤さん 地域の木材を使った「林業の地産地消」モデルを考えていて、小規模の木質バイオマス発電事業を立ち上げたいと考えています。

地域の木を切って集めたものを発電・売電し、所有者の方に還元できる仕組みを整え、現在のFIT(Feed-in Traiff)制度にのれば20年間は事業が確約されるので、このタイミングで立ち上げたいですね。

それに伴い、どうしても従業員を増やさなければいけないので、できるだけ若い従業員に入ってもらい、元気がある20代・30代が思い切って仕事ができる環境を会社として整えていきます。

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株式会社美都森林
〒698-0203 島根県益田市美都町都茂1076
TEL 0856-52-2755
FAX 0856-52-2780
HP https://mitoshin.net/forest/

益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(美都森林)
①社員同士が話しやすく、明るい職場環境を提供します。
②社員が地域に馴染めるように、地域行事への参加を支援します。
③研修会への参加、資格取得を全面的にバックアップします。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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