2021年2月3日 (水)

益田のひとづくりおしらせ地域づくり益田20地区,小野

静かな海辺の空き家DIYを、新たな出発点に

益田20地区を巡る 小野地区編

益田の中山間部が誇る、豊かな自然が象徴的な小野地区。中でも日本海岸沿いに佇む衣毘須神社は、県外からも人を呼ぶ人気スポット。

今回紹介するのは、まさに目の前に広がる青い海と広い空が舞台の海岸沿いに、Iターン移住した寺西泰一さんである。

 

「初めて小野地区の小浜町を知った時、ここは数ある海の町の中でも、なんだかいい雰囲気のある場所だと思いました。季節ごとに移り変わる景色と恵みが自慢です。」

寺西さんは、広島・出島で育った、生粋の”海街っ子”。

現在人口152人の町、海が魅力な小野地区の小浜町にて、築88年の古民家をDIYしながら暮らしている。

どのような思いで、この地を選び、日々を過ごしているのだろうか。

静かな漁師町の下、波音、そして山陰本線のローカル列車が走り抜ける音が時折響くご自宅にて、お話を伺った。

【2018年 冬。ゆったりした時間の流れに魅了され】

「実家が鉄工所ということもあって、昔からなんでも自分で作るのが好きな少年でした。仕事としてはそういう道には進まなかったけれど、大人になってからも、余暇の時間でものづくりが楽しみでした。」

そう語る寺西さんは、元広島のテレビ番組ディレクター。

やりがいはあったが、生放送担当時代の常にプレッシャーがかかる仕事には、苦しさや悩みも多かった。引退後は海が見えるゆったりとした場所に住みたい、という思いを抱えていたそんな時、偶然テレビ番組で、益田市の小野地区で暮らすご夫婦が取り上げられる。

そこで、初めて益田での生活が選択肢の一つに入り、空き家バンクで売りに出ていたある古民家が、寺西さんの目に留まるのだった。これが2018年12月の出来事。

「その時、既にこの家を買うしかないと思いました。それから公民館に電話をし、年明けに広島で開催されたしまねU・Iターンフェアで役所の方に相談したのですが、実はもう気持ちは決まっていたんですよね。

妻にも『3人の子どもやまたその子どもたちに自慢できる田舎があったらいい』と背中を押してもらい、3月には購入する運びへと、トントン拍子に話が進んでいきました。

それからというもの、毎週金曜日19時00分スタートのニュースの生放送番組を担当してから20時30分頃に広島を出発、深夜に益田に着き、週末には家のDIY作業をする。そんな寺西さんの土日返上のDIY益田生活が始まった。

「大変だと思われるけれど、あの頃実は益田に来るのが楽しみでね。週末が来ると元気になるくらい、DIYをしに益田に通うことが仕事の糧になっていたんですよね。」

「やっぱり海沿いで過ごすことで気に入っていることは、ぼーっとできることですよ。もちろんこの近辺の家ならではの手入れも必要になりますが、四季折々、時間帯によって変わる海を飽きることなく堪能しています。」

益田市空き家バンクナビURL
https://akiyabank.masudanohito.jp/

 

 

【2019年 春。初めての空き家DIYでは、トライアンドエラーの繰り返し】

「空き家DIY」は昨今トレンド化しつつあり、挑戦される方は増えている。寺西さんによる空き家改修の具体的なプロセスはどのようなものだったのだろうか。

話を聞くと、普段からものづくりに慣れていた寺西さんにとっても、戸惑うことが多かったようだ。

「この家を購入した時点で、生活用品 ・ 仏壇など全て残っていたので、最初はとても怖くて、車中泊するほどでした(笑)」

といったリアルな体験談に始まり、DIYにおいてはとりあえず壊してみるところから着手したとのこと。

すると作業を進めていくうちに、次々と課題が見えてくる。

この物件の場合は、家のところどころに隙間が多いという問題点が発覚した。

「途中色々ありましたが、天井板を外した際に母屋の天井にコウモリの巣が見つかったのには本当に驚きました。裏に入ってみるとフンがこんもりあるんですよ。対処の方法は近所の人の誰も知らないみたいだったので、自分で調べてやるしかないですよね。とりあえず隙間を埋めていくことでコウモリ駆除をすることにしました。」

屋根修理のため、瓦職人youtubeを見て学んだ作業の一コマ。日本三大瓦の一つである石州瓦は、島根県石見地方のシンボルだ。

「これではDIYなんて進まない訳ですよね。だから1年半通った結果、やっと今リノベーションのスタート地点に今立ったという感じです。」

 

【2020年 秋 移住。 自分の楽しみを町おこしに】

こうして週末出張DIYを繰り返した1年半を経て、寺西さんは遂に移住する決断をする。

「益田に来ることを決めた当初は、新しい場所で心機一転し、カフェや民泊、なんちゃって漁師なんかもやりながら暮らしていきたいと思っていました。」

 

そんな気持ちを抱えた移住後、縁があった益田市役所観光交流課で任用職員としての仕事を始める。

それは今までの経験とは全く違う業界ではあったものの、益田について知ることの出来る、うってつけの仕事だったそう。

 

こうしてスタートした寺西さんの益田生活。

暮らし始めたからこそ気づいた、寺西さんが想う益田・小野の魅力、課題、そして展望とは…。

 

「家の近所には観光名所の衣毘須神社があるけれど、観光客の滞在時間はおよそ5分くらいしかないらしいんですね。僕としては、お参りして終わりじゃなくて、ぜひゆっくりこの土地の魅力を堪能して帰ってほしいなと思います。

 

小野地区にはせっかくの財産があるのに、『なんやこれだけか』って思われるのがもったいない。そんな思いで、今は試しにドローンを使って紹介動画を作ったり、無料休憩所を建ててみたりして、町おこしに少しでも貢献できればと思っています。」

これからは楽しい体験を通じて、小野地区の小浜町の日常を味わってもらう仕掛けづくりも構想中とのこと。

海岸のゴミ問題、海、食について学ぶ資源が、この小野地区の小浜町には存在する。

「最近は、自分の家の前や海岸で散乱しているゴミを拾いがてら、流木を集めて色々作ることを始めました。

自分自身、自然体験や民泊運営などを勉強しつつ、これからどう新しいチャレンジをしていくかを模索していきたいです。」

 

 

「まず自分ができることとして、空き家バンクなどで、映像や写真を通じて、地域の人の表情が伝わるようなものを作れたらいいなと考えています。そしてもっともっと多くの人に益田に足を運んでもらいたい。まずは、この思いを地域の人に伝えて、多くの人を巻き込みながら町を盛り上げていくことが直近のチャレンジになりそうです。」

自分の日常の楽しみを、いかに多くの人と共有するかというところに情熱を持ち、模索する寺西さん。

そんな益田での生活は始まったばかり。寺西さんの目の前には、ワクワクと挑戦が詰まった益田・小野が広がっているようだった。

 

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

facebook twitter
NEW

2021年2月3日 (水)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,都茂

益田で持続的に暮らし続けるための一助に

同カテゴリーのエントリー

小野のエントリー