2021年3月15日 (月)

仕事,UIターン者サポート宣言企業益田20地区,高津

クラフトビール作りをきっかけに、いつまでも働きたいと思う人が活躍できる場を

UIターン者サポート宣言企業 企業紹介 高津川リバービア株式会社

日本一の清流として名高い高津川のほとりに令和2年6月に誕生したのが「高津川リバービア株式会社」です。
「移住前から高津川流域の方が応援してくれました」と語る、代表取締役の上床 絵理さん(下写真,中央)に企業紹介ならびに自身が考える新しい働き方について、お聞きしました。

地名や特産品を製品名にいれ、益田を発信

上床さん  令和2年6月に設立し、8月に東京都文京区から益田へ移住をしました。
主にクラフトビール作りがメインのスタッフが1人、クラフトビール作りを学ぶために1年間研修員として岩手県から来てくれたスタッフと私の主に3人で働いており、東京に1名取締役がいます。

私たちの会社は、「リバービア」という名前の通り、発泡酒を製造・販売しています。高津川リバービアの高津醸造所でクラフトビールを作っており、ブランド名を「TAKATSUGAWA RIVER CRAFT(タカツガワ リバー クラフト)」としています。

クラフトビールのクラフトには手作りという意味が込められており、益田市のシャインマスカットや吉賀町の吉賀茶といった高津川流域の特産品を使用したクラフトビールを作りたいという思いから、リバークラフトという名前にしました。

「高津川」という地名が社名や製品名に入っていることから、この地域への思い入れが強いと感じましたが、益田や高津川流域への思いが強い理由は移住するきっかけとなった「高津川流域関係人口創出事業」だったそうです。

上床さん 2018年に益田市・津和野町・吉賀町が「高津川関係人口創出事業」という取り組みを実施していて、そこに参加したことがきっかけで益田を知りました。2年前からこの益田に関わり始め、様々な方と話す中で、「美味しいものや素敵なものがたくさんあるものの、情報発信がまだ出来ていない」という声をよく聞いていました。

益田や高津川流域は、海・山・川の幸や果物などの多くの美味しいものがあると私自身感じていました。そのようなものを日本全国に発信できるようになればいいなと思い、地域の特産品を使うことはもちろん、特産品のある地名を商品名の一部につけています。

益田に移住をし、起業した際に周りの人々が応援してくれたそう。
色んな人や場所と出会うことができたのは、益田びとのおかげと話します。

そもそも、上床さんはなぜクラフトビールの分野に携わったのでしょうか。

上床さん 大学卒業後から会計検査院で国家公務員として働いていたものの、公務以外の様々な仕事に挑戦したいと思い、2019年6月に退職しました。そして、退職した翌7月に東京で起業しました。この会社の理念は「シニアの人が定年退職後もいきいき働き続けられる場を作る」です。

話は少し変わりますが、私はビールやお酒が大好きで、お酒を通じた人とのコミュニケーションによって関係性が深まるのもとても好きなんです。
実際に働く場をつくっていこうと思った時、「お酒×働く場」が良いのではないかと思い至りました。特に、お酒の中でも飲みやすく、乾杯などで楽しいイメージがあるクラフトビールがいいなと。

そう思っていたタイミングで益田と出会い、この場所でクラフトビールを作りたいと思いました。そして、私自身働く場所を作りたいと思っていたので、起業という方法を選択しました。

醸造所として稼働している場所は、現在も家主のお母さまが生活している建物の一部をお借りしているそうです。

祖父の死が社会環境を変えたいという思いを生む

上床さんが大事にしている考えや価値観は、幼少期の出来事が大きいと話します。

上床さん 幼い頃に父方の祖父と同居していたのですが、祖父は長く勤めた仕事を退職した後に、社会との関わりが薄くなり認知症が進行し、わたしが中学2年生のときに亡くなりました。

仕事を辞めて認知症になった祖父の姿がとてもショックで、仕事を辞めてから社会との関わりがなくなり認知症になってしまうという状況は、祖父本人だけが要因ではなく、社会の仕組みの中にも要因があるのではないかと感じ、社会の仕組みを変えたいと思いました。

そして、社会の仕組みを変えることに直接関われる方法として、日本の社会の制度や仕組みを作ることができる国家公務員になれば良いと考えました。
それから、公務員になりやすい大学や学部を選び、大学卒業後、目標としていた国家公務員になることができました。

わたしは2004年に国家公務員として会計検査院に入庁しました。会計検査院は、国の会計経理の検査を行うため日本全国に出張し、税金が適正に、有効に利用されていない事態を発見し、それらの改善提言ができる仕事です。社会の制度や仕組みをよくしていくことができるのが会計検査院を選んだ理由でした。

会計検査院で働き始めた上床さん。
しかし、国家公務員12年目に自分が本当にやりたかったことを思い出したそうです。

上床さん 2015年に、ある大学の特別講義の講師として会計検査院の業務や入庁した理由などを話す機会をいただきました。その講義の後のアンケートで、ある学生さんから「上床さんの夢はその後どうなりましたか」という言葉をもらいました。その言葉をみて、自分が本当にやりたいことが仕事を定年退職しても社会と関わり続けられるような社会の仕組みを作ることだったことをハッと思い出しました。

そして、何かしなければならないと思い、公務員をしながらNPO法人を立ち上げました。そこでは、定年退職前後の人が定年前に定年後の生活や自分のやりたいことを見つめ直し、やりたいことに向かって行動することや職場以外のネットワークをつくるための活動をしていました。

自分がやりたいと思ったことに向けて行動すると、思いは実現するということを実感し、大きな自信になりました。

ただ、仕事以外の活動をはじめると、勤務時間以外の時間や有給休暇では十分に活動をすることが難しくなってきました。2019年になると、会計検査院での仕事も15年目を迎え、一つの区切りだと考えるようになりました。
そこで、自分のやりたいと思ったことをもっとやっていくために起業することを決め、2019年6月に会計検査院を退職しました。

2019年7月に東京で起業した会社では、いつまでもいきいき働き続けられる場所を作っていくことをミッションとしています。

多様な世代が生き生きと働き続けられる場所を益田に

NPO活動でシニアの方の内面の変化に関わる活動をしていたからこそ、その内面の変化を行動に移せる場の必要性を感じ、自分の会社でシニアの方が活躍できる場を作りあげていった上床さん。

「シニアの人がいきいき働き続けられる場を作る」
これは上床さん自身が大事にしている思いであり、UIターン者サポート宣言企業の登録内容にもあります。シニアの人がいきいき働き続けられる場づくりについて、お伺いしました。

上床さん わたしの会社のように小さなクラフトビール醸造所では、あらゆることが手作業です。たとえば、クラフトビールの仕込みはもちろんですが、ビール瓶にラベルを貼ったり、賞味期限を印字したり、商品の発送の準備をしたりと、軽作業もけっこうあるんです。このような作業だったらいろんな世代の方も働きやすいかなと思っています。

しっかり働いたあとに、自分たちで作ったクラフトビールで乾杯して「お疲れさま!」と言い合えるような、そんな場を作っていきたいと思っています。

益田に移住させていただき、UIターン者の視点で驚いているのが、年齢に関係なく、益田の方は仕事以外の活動や地域の活動に関わっている方が多く、一人何役もこなしている方が多いと思います。
東京はどうだったかというと、東京では仕事中心の方が多く、勤務時間も長く、仕事以外の活動に取り組んでいる人が少ないように思いました。この違いは興味深いと感じています。

UIターン者サポート宣言内容にもある「新しい働き方」というところも
仕事以外のことをデザインしてほしいという考えが上床さんにもあるようです。

上床さん 東京などの都市部で働いている方が、もし住んでいる地域に関わるのが難しければ、年に何回でもいいので益田に来ていただき、クラフトビール作りに関わっていただいたり、クラフトビールの副材料(シャインマスカットなど)の生産者さんのお手伝いをすることで、新しい生き方、働き方、楽しみなどを発見することができるかもしれません。

私たちのクラフトビール会社がそのような方々を受け入れる場のひとつになればと思っています。そのような関わりをもった方々が、ゆくゆくはIターンや2拠点居住の居住先につながっていくのも楽しみです。

これからどういった人と働きたいのか、お伺いしました。

上床さん 働くことが好きな人と一緒に働きたいです。私が働くことが大好きなので。(私の趣味はお酒を飲むことと働くことかもしれません。)
一緒に働く中で、喜びや苦労や達成感を一緒に感じていけたら嬉しいです。

雇用の形態についてはこだわりはなく、この会社のミッションやビジョンに共感いただけるのであれば、1年間限定でも、週3日でも各々の希望するスタイルで一緒に働いていただければと思っています。

最後にこれからのビジョンをお伺いしました。

上床さん まずは、地域の特産品になるような美味しいクラフトビールをしっかり作り、私たちのクラフトビールを手にとってくださる方々に美味しく楽しい時間を過ごしていただけるようにすることです。

将来的なビジョンとしては、クラフトビールの原料となる大麦の栽培や麦芽を作るための精麦工場を作るなど、クラフトビールに関連する事業もやっていきたいと思っています。そして、いつまでもいきいき働き続けられる場を益田にたくさん増やしていきたいです。

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高津川リバービア株式会社
〒698-0041
島根県益田市高津2-1-18
TEL 0856-32-9641

益田市UIターン者サポート宣言企業 宣言内容(高津川リバービア)
①2拠点居住や土・日のみの就労等、新しい働き方づくりに挑戦します。
②シニア世代からも手に職をつけ、働きつづけられる環境を実現します。
③ビール(発泡酒)造りを通して、地域の方々との交流をサポートします。

取材:一般社団法人 豊かな暮らしラボラトリー
文責:益田市人口拡大課

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