トラットリア・スタジオーネ
藤原 真樹 / 藤原 裕子
常に変わっていく。
父がフランス料理のシェフという環境で育ったこともあって、気がつけば当たり前のように料理人の道を志していました。そして、神戸での修行を経て益田に戻ってきましたが、もちろん、順調なことばかりではありませんでした。行き詰まりや困りごとに対し、夫婦で意見を交換しながら、少しずつ店としても成長してきたように思います。
私は、料理が大好きです。もちろん、自分の作る料理にはプライドも自信もあります。新しいメニューや食材使用に挑戦するのはもちろんのこと、たとえ同じメニューであっても、どんどん発展させ、変えていくべきだと思っています。「おいしい」ということを求めると、そうなっていくのが当然ではないかと思います。
ただ、そういうプライドや自信は、場合によっては自分本位な料理になってしまうこともあるだろうと、最近改めて思っています。
まず、お客さんを見る。年齢や様子によって、塩加減や味付けを少しずつ調整してみる。それは、接客にしてもそうです。そんな相手意識をもった料理人であり、店でありたいねと、いつも話しています。妻は、私の料理の一番の応援者であり、その魅力を伝えてくれるためにいつも全力を尽くしてくれているからこそ、私も料理に集中することができています。
料理のことを真剣に考えれば考えるほど、それはシェフである自分一人の力で成り立つものではなく、農家さん、業者さん、お客さん、その他たくさんの人があってこそだと思います。それを心に刻みながら、今日、明日、明後日と、常に変わっていく姿勢を大切にしたいです。